ジェントルレーズプロとジェントルレーズの違いは?効果・熱破壊式の意味まで解説

クリニックで導入している脱毛機を調べていると、ジェントルレーズプロという名前に行き当たることがあります。名前が似た機種が並んでいて、無印のジェントルレーズやジェントルマックスプロなど、どれがどれなのか見分けがつきにくいと感じる方も多いでしょう。

目次

検索候補には「熱破壊式ですか」「効果ない」「産毛にも効く」といった言葉が並びます。同じ機種名なのに書かれている内容が食い違って見えるのは、機器を扱う医療機関側の説明と、国が承認した文書の記載とで、言葉の選び方が違うためです。公開資料でどこまで確認できるのかを線引きしないまま比べると、話がかみ合わなくなります。

そこでこの記事では、まず国の承認文書がこの機種をどう記述しているかを確認します。続いてジェントルマックスプロとの差がどこにあるのか、無印との関係で公開資料から何が言えるのかを見ていきます。後半では毛質や部位による効き方の程度、抜けないと感じるときの原因の切り分け、照射間隔や避ける条件を順に扱います。機種名だけで判断せずに材料をそろえたい方は、参考にしてください。

※本記事は公開されている電子添文や審査報告書などの一次情報をもとにした情報提供コンテンツです。当院の診療内容を紹介するものではなく、特定の機種やクリニックの広告でもありません。効果の感じ方には個人差があり、施術の可否は診察を受けた医師の判断によります。

ジェントルレーズプロとは?キャンデラ社のレーザー脱毛機の特徴と承認

ジェントルレーズプロが分類されるレーザー脱毛機のイメージ図

※画像はイメージです。実際の機器の外観とは異なります。

ジェントルレーズプロは、医療機関で使われるレーザー脱毛用の医療機器です。独立行政法人医薬品医療機器総合機構が公開している電子添文によると、販売名は「長期減毛・色素性疾患用レーザー装置 GentleLase Pro」で、承認番号は22800BZX00446000と記載されています。

製造販売業者はシネロン・キャンデラ株式会社、製造業者は米国のCandela Corporationです。日本語で「キャンデラ社の脱毛機」と紹介されるのはこの製造業者を指しています。

●ジェントルレーズプロの承認上の基本情報
項目電子添文の記載
販売名長期減毛・色素性疾患用レーザー装置 GentleLase Pro
承認番号22800BZX00446000
製造販売業者シネロン・キャンデラ株式会社
製造業者Candela Corporation (アメリカ合衆国)
一般的名称アレキサンドライトレーザ (括弧書きでネオジミウム・ヤグレーザ)
類別機械器具31 医療用焼灼器
クラス分類高度管理医療機器・特定保守管理医療機器・設置管理医療機器
区分承認 (認証ではない)
レーザクラスクラス4
使用目的レーザの選択的熱作用により長期的な減毛を目的とした装置。アレキサンドライトレーザは表在性の皮膚良性色素性疾患の治療にも使用する

表の内容は2024年11月に改訂された第8版の記載です。承認番号や販売名は機器を特定するための情報であって、施術の結果を約束するものではありません。

ここで押さえておきたいのが、販売名に「色素性疾患」という語が入っている点です。この機種の使用目的は長期的な減毛が主で、そこにアレキサンドライトレーザーによる表在性の皮膚良性色素性疾患の治療が加わる形で書かれています。名前の並びを見ただけで、脱毛だけの機器ではないことが読み取れます。

もうひとつ、クラス分類が高度管理医療機器で、区分が承認である点も見落とせません。医療機器には認証で足りるものと、審査を経て承認される必要があるものがあります。この機種は審査を経て承認された側です。審査の過程が文書として公開されているため、この記事ではその記載を根拠に話を進めます。

ジェントルレーズプロの承認情報で押さえておきたい販売名・区分・使用目的の3つの着眼点を整理した図

ジェントルレーズは熱破壊式?審査報告書にある選択的熱作用による毛包の破壊

「熱破壊式」という言葉は、医療脱毛の機種を分類するときに広く使われています。ただし、この語を国の文書のなかに探すと事情が変わります。PMDAが公開しているジェントルレーズプロの電子添文と審査報告書に、「熱破壊式」という語は登場しません。「蓄熱式」も同じく見当たりません。

審査報告書は、2016年にこの機種が承認されるまでの審査の記録で、機器の作用機序が正式な言葉で書かれています。そこでの表現は次のとおりです。

●審査報告書が使っている作用機序の表現

> 波長755nmのアレキサンドライトレーザを皮膚に照射し、毛幹及び毛根のメラニンへの選択的熱作用及びその輻射熱による毛包の選択的破壊により、減毛を行う装置である

審査報告書はさらに踏み込んで、755nmのレーザーがメラニンに選択的に吸収される性質を使い、毛幹と毛根に届いた光エネルギーが熱エネルギーに変わり、その輻射熱で毛幹と毛根の周囲にある毛包を破壊すると説明しています。組織を調べた所見としては、照射直後に毛包組織の損傷が見られ、1か月後には嚢腫状の毛包と異物巨細胞が観察されたと記されています。

●「熱破壊式」という呼び方の位置づけ

言い換えれば、「熱破壊式」は業界で使われている呼び名であって、この機種の公式な分類名ではありません。呼び方そのものが間違いというわけではなく、1発あたりのエネルギーを高くして毛包を熱で壊すという組み立てを指す言葉として、実務のなかで定着したものです。

読者として意味があるのは、方式名で機種を並べるより、どういう作用で毛に働きかける装置として審査を通ったのかを見るほうが、書かれていることの確からしさを測りやすいという点でしょう。方式の呼び方をめぐる話は、学会の文書がどう扱っているかも含めて他社機との比較の章であらためて整理します。

審査報告書が説明する選択的熱作用と輻射熱によって毛包が破壊されるまでの流れを示した図

ジェントルレーズプロの波長は755nmだけ?電子添文にある二波長の記載

この機種を紹介する文章では、755nmのアレキサンドライトレーザー単波長の機器という説明をよく見かけます。ただし、承認審査のときの記載と、現行の電子添文の記載は同じではありません。

2016年の審査報告書は、波長755nmのアレキサンドライトレーザ単波長の装置として本品を記述しています。いっぽう2024年11月の第8版の電子添文には、波長755nm又は1064nmの二波長のレーザ光を発振するフラッシュランプ励起式アレキサンドライトレーザ装置及びNd:YAGレーザ装置である、と書かれています。

さらに構成の欄には、Nd:YAGレーザヘッドを取り付けないアレキサンドライトレーザ単体の装置に加えて、アレキサンドライトレーザとNd:YAGレーザの複合機のタイプもあると記されています。同じ承認番号のもとに、単体機と複合機の両方の構成が存在するという書き方です。

●承認審査時と現行の電子添文で記載が違う点
比較する軸2016年の審査報告書2024年11月の電子添文 (第8版)
波長の記載波長755nmのアレキサンドライトレーザ単波長波長755nm又は1064nmの二波長
装置の種類アレキサンドライトレーザ装置アレキサンドライトレーザ装置及びNd:YAGレーザ装置
構成の記載記載なしアレキ単体の装置に加えて複合機のタイプもある
文書の性格承認するかどうかを判断した審査の記録現在流通している機器の添付文書

表は2つの文書の記載を並べたもので、どちらかが誤りという意味ではありません。承認から現行版までのあいだに何が起きたのかは、次に触れる理由から公開資料では追えません。

補強材料として、電子添文の警告欄には保護めがねの規定があり、755nmだけでなく1064nmについても遮光の要求が書かれています。1064nmはNd:YAGレーザーの波長ですから、二波長の装置として扱われていることの傍証になります。

いつ二波長の記載になったのかは、公開資料からは分かりません。第1版から第7版までの電子添文はPMDAが配信を止めており、一部変更承認の日付を示す文書も見つかりませんでした。言えるのは「2016年の承認審査時点では755nm単波長として審査された」「現行の電子添文では二波長として記載されている」の2点までです。年号を添えた説明を見かけたときは、出所が示されているかを確かめるとよいでしょう。

なお、3学会がまとめた美容医療診療指針は2021年10月時点の承認機種の一覧で、この機種をアレキサンドライトレーザーとして記載しています。文書ごとに書かれている時点が違うため、記載が食い違って見えることがあります。

同じ承認番号のもとにアレキサンドライトレーザ単体機と複合機の2つの構成があることを示した図

ジェントルレーズプロが国内で最初に減毛の使用目的で受けた薬事承認

承認の年月日は、厚生労働省の課長通知に記載があります。平成28年12月15日付で承認されたという記述で、承認番号も同じ22800BZX00446000です。申請は平成27年12月22日、審査報告書は平成28年11月4日、部会での審議は同年11月25日という流れになっています。

このタイミングが注目されるのは、審査報告書に次の趣旨の記載があるためです。審査の時点で、本邦においては減毛という使用目的で承認されたレーザ医療機器はない、と書かれています。つまり減毛を使用目的として国内で承認を受けた最初の事例にあたるという位置づけです。

学会側の文書にも対応する記述があります。美容医療診療指針が挙げているのは、本邦で2016年に長期脱毛用レーザー装置として初めて薬事承認を取得した機種はロングパルスアレキサンドライトレーザーであった、という記述です。個別の製品名ではなく機種のクラスを指す呼び方が使われている点に、注意して読んでください。

●承認情報から読み取れること
  • 国内で正規に使える医療機器として審査を通っている
  • 使用目的は長期的な減毛であり、脱毛そのものを保証する記載ではない
  • 審査の過程が文書として公開されており、記載の根拠をたどれる
  • 承認された機器であることと、施術の仕上がりが良いことは別の話になる

承認の有無で確かめられるのは、その機器を国内で正規に扱えるかどうかまでです。同じ機種を置いていても照射の設定は施術する側が決めるため、承認情報だけで結果を読むことはできません。設定の側から効果を考える話は、抜けないと感じる原因を扱う章で掘り下げます。

ジェントルレーズとジェントルマックスプロ(マックスプロ)の違い

ジェントルレーズとジェントルマックスプロの違い

比較の場面でよく並べられるのが、ジェントルマックスプロです。名前が似ていて同じメーカーの機器でもあるため、上位機種と下位機種のような関係で語られることがあります。ただし電子添文を並べて読むと、差が出ている箇所は限られています。

ここでの比較の主体はジェントルレーズプロです。無印のジェントルレーズについては国内の承認情報が公開されていないため、性能を並べた比較はできません。この点は世代を扱う章であらためて整理します。

●2機種の電子添文を並べたときの主な違い
項目ジェントルレーズプロジェントルマックスプロ
販売名長期減毛・色素性疾患用レーザー装置長期減毛・皮膚疾患用レーザー装置
承認番号22800BZX0044600023000BZX00128000
一般的名称 (主)アレキサンドライトレーザネオジミウム・ヤグレーザ
波長755nm 又は 1064nm755nm 又は 1064nm
アレキ側のフルーエンス上限最大150 J/cm²最大150 J/cm²
Nd:YAG側のフルーエンス上限最大200 J/cm²最大520 J/cm²
Nd:YAG側の微小スポット径記載なし1.5mm・3mm・3×10mm
使用目的の血管病変記載なし表在性毛細血管拡張症状の改善を含む

表はPMDAの電子添文の記載を並べたものです。数値は機器の性能の上限であって、実際に使う設定を示すものではありません。

この表から見えるのは、差が出ているのはNd:YAGレーザー側と使用目的の広さで、アレキサンドライトレーザー側ではないという構図です。一般的名称の主従が入れ替わっている点も、どちらのレーザーを軸に設計された機器なのかを示しています。以下の3つの節で、それぞれの中身を確認します。

ジェントルレーズプロとジェントルマックスプロの違いがNd:YAGレーザー側と使用目的に集まっていることを示した分解図

ジェントルレーズプロとマックスプロはアレキサンドライトレーザーの性能が同じ

まず押さえておきたいのが、アレキサンドライトレーザー側の記載は2機種で一致しているという点です。電子添文の性能欄を突き合わせると、次のようになります。

●アレキサンドライトレーザー側の記載 (2機種で一致)
項目記載値
波長755 ± 5 nm
最大照射エネルギー53 J
フルーエンス最大 150 J/cm²
パルス幅0.25〜100 ms
繰り返し周波数最大 10 Hz
スポット径6・8・10・12・15・18・20・22・24 mm

いずれも電子添文の性能欄にある記載で、施術で使う設定を示すものではありません。この一致は、比較を読むときの土台になります。755nmのアレキサンドライトレーザー側の上限値が2機種で同じである以上、性能の上限という軸では差が付かないためです。ただし、どちらの波長を使うかは肌の色調と実機の構成をふまえて判断される点は押さえておいてください。

言い換えると、上位機種だから毛によく効くという説明は、この範囲では成り立ちません。上位という言葉で語られる差がどこにあるのかは、後の節で見るNd:YAGレーザー側と適応の広さを確かめてください。

なお、スポット径には使い分けがあります。審査報告書には、標準のハンドピースが6mmから18mm、ラージスポット専用のハンドピースが20mmから24mmという対応関係が記されています。広い部位を短時間で照射するならスポット径の大きいハンドピースが向くでしょう。ただし電子添文には使える部位の条件も書かれており、この点は部位別の効き方を扱う章で触れます。

ジェントルレーズプロで血管病変の治療はできる?マックスプロとの使用目的の差

使用目的は、機器が何を目的とした装置として承認されたかを示す欄です。ここに2機種の差がはっきり出ています。

●2機種の使用目的の逐語
機種電子添文の使用目的
ジェントルレーズプロ本品は、レーザの選択的熱作用により、長期的な減毛を目的とした装置である。アレキサンドライトレーザは表在性の皮膚良性色素性疾患の治療にも使用する。
ジェントルマックスプロ本品は、レーザの選択的熱作用により、長期的な減毛を目的とした装置である。アレキサンドライトレーザは表在性の皮膚良性色素性疾患の治療にも使用する。ネオジミウム・ヤグ (Nd:YAG) レーザは皮膚良性血管病変における表在性毛細血管拡張症状の改善のための治療にも使用する。

2つの文を比べると、前半は同一で、ジェントルマックスプロだけに血管病変に関する一文が加わっています。表在性毛細血管拡張症状の改善という記載がそれにあたります。

したがって、血管病変の治療という角度で見るかぎり、使用目的に記載があるのはジェントルマックスプロの側です。ジェントルレーズプロの使用目的には血管病変の記載がありません。機器の性能の話ではなく、承認された使用目的の範囲の話である点に注意してください。

ちなみに、承認された2016年時点の使用目的には、色素性疾患に関する一文もありませんでした。現行の電子添文にはこの一文があるため、承認後に使用目的の範囲が書き足されたことになります。細かい話に見えますが、同じ機種名でも文書の時点によって書かれている範囲が違うという、この機種の記載を読むうえでの基本になります。

ジェントルレーズプロのヤグレーザー(yag)はマックスプロより出力の上限が低い

出力の上限が低いという説明を見かけますが、どの数値のことを指しているのかを分けて読む必要があります。電子添文の性能欄で差が出ているのは、Nd:YAGレーザー側のフルーエンスの上限です。

●Nd:YAGレーザー側の記載を並べたところ
項目ジェントルレーズプロジェントルマックスプロ
波長1064 ± 3 nm1064 ± 3 nm
最大照射エネルギー80 J80 J
フルーエンス最大 200 J/cm²最大 520 J/cm²
パルス幅0.25〜100 ms0.25〜100 ms
スポット径6〜24 mm1.5mm・3mm・3×10mm と 6〜24 mm

数値はいずれも上限を示すもので、施術で使う設定ではありません。フルーエンスは単位面積あたりに与えるエネルギーの量を表します。

ここで分かるのは、最大照射エネルギーは80 Jで同じで、差が出ているのはフルーエンスの上限とスポット径の構成だということです。同じエネルギーでも、照射する面積が小さいほど単位面積あたりの値は大きくなります。1.5mmや3mmといった微小なスポット径を持つジェントルマックスプロの側で上限値が大きくなるのは、そのためでしょう。なお、ジェントルマックスプロには微小なスポット径と血管病変に関する使用目的の両方が記載されていますが、両者の因果関係までは電子添文から確認できません。

したがって、「出力の上限が低い」を「脱毛の性能が劣る」と読み替えるのは、公開資料の記載からは飛躍になります。アレキサンドライトレーザー側の記載が一致していることは前の節で見たとおりで、性能値の差はNd:YAGレーザー側に集まっています。これとは別に承認された使用目的にも差があり、2つは分けて読む必要があるでしょう。

もうひとつ注意したいのが、ジェントルレーズプロならNd:YAGレーザーも使えると前提を置かないことです。単体機と複合機の両方の構成が記載されていることは、波長の節で見たとおりになります。院に置かれている実機がどちらの構成なのかは、機種名だけでは決まりません。日焼けした肌や色調の濃い部位への対応にも関わるため、施術前の条件を扱う章でもう一度触れます。

ジェントルマックスプロそのものの波長の使い分けや適応については、ジェントルマックスプロを主題にした記事で扱います。この記事ではジェントルレーズプロの側から見た差にとどめます。

最大照射エネルギーとスポット径からフルーエンスが決まる関係を示した図

ジェントルレーズとジェントルレーズプロの違いは?公開資料で確認できる世代と承認

ジェントルレーズとジェントルレーズプロの世代と承認の違い

無印のジェントルレーズとジェントルレーズプロの違いは、検索でも繰り返し問われている論点です。ただしこの問いに答えるうえで、公開資料から確認できる範囲はかなり限られています。

理由は単純で、無印のジェントルレーズについて国内の承認情報がPMDAに見当たらないためです。加えて2016年の審査報告書には、審査の時点で本邦に減毛の使用目的で承認されたレーザ医療機器はないと書かれています。無印のジェントルレーズは国内の承認文書を確認できないため、同じ資料条件で性能を比べられない、というのが実際のところです。

●この章で書けることと書けないこと
論点公開資料での扱い
無印の国内での承認情報PMDAに該当する文書が見当たらない
無印とプロの性能の比較比較の材料が取れないため書けない
米国での前世代品の沿革審査報告書に記載があり確認できる
電子添文の臨床成績の出所前世代品のデータであると明記されている
名前の似た派生機種の性能一次資料が見当たらないものは書けない

表は資料の有無を整理したもので、無印という機器が存在しないという意味ではありません。国内の承認文書という限られた土俵で確認できる範囲を示したものです。

この前提のうえで、審査報告書に記録されている沿革と、電子添文の臨床成績の出所という2つの角度から見ていきます。世代差を性能の話として語らず、資料に残っている事実として扱うのが、この論点の扱い方になります。

ジェントルレーズプロが2011年に開発されるまでの前世代品の沿革

審査報告書には、本品の開発の経緯として前世代品に関する記述があります。名称は「GentleLase GL Dermatological Laser」で、米国での適応取得が段階的に進んだことが記されています。

●審査報告書に記載された前世代品の沿革
年記載されている内容
1997年米国FDAの510(k)で皮膚血管病変の凝固の適応を取得
1998年減毛の適応を取得
2000年長期的又は永久的な減毛の適応を取得
2011年改良を重ねたGentleMAX Familyの製品として本品が開発された

内容は審査報告書に記された経緯です。米国での適応取得の話であり、国内の承認とは手続きが別になります。

読み取れるのは、ジェントルレーズプロが2011年に開発された機器であり、その前に別の名称の機器があったという流れです。前世代品が段階的に適応を広げ、それを改良した製品としてこの機種が位置づけられました。

ここで慎重になりたいのが、この前世代品と日本語で語られる無印のジェントルレーズを同じものと言い切れるかどうかです。どの一次資料にも、両者が同一の機器であるという記述はありません。米国での名称と、国内で通称として使われている呼び名を突き合わせる材料が公開資料にないためです。「無印はこうだったがプロで改良された」という形の説明を見かけたときは、この点を踏まえて読む必要があります。

審査報告書に記された前世代品の適応取得から2011年の開発までの流れを示した年表の図

ジェントルレーズプロの電子添文に載る減毛率は前世代品のデータ

電子添文には臨床成績の欄があり、減毛率の数値が載っています。ただしこの数値には、読むうえで外せない前提が付いています。掲載されているのは前世代品「GentleLase GL Dermatological Laser」の米国試験の値で、本品の値として示されたものではありません。

●電子添文の臨床成績欄に記載された減毛率
治療回数減毛率観察期間評価症例数
単回治療51.4 ± 12.7%18か月8例
2回治療48.7%9か月1例
3回治療73.7 ± 32.0%12か月7例

数値は電子添文の記載どおりです。試験は1997年11月から1999年11月にかけて実施され、対象は皮膚の色調による区分であるスキンタイプI〜IVとされています。

数値を見る前に確かめておきたいのが症例数です。8例・1例・7例という規模で、標準偏差も12.7ポイントや32.0ポイントと大きく開いています。2回治療の48.7%にいたっては1例の値です。回数が増えるほど減毛率が上がるという単純な読み方も、この症例数では成り立ちません。

有害事象としては、重度の疼痛・痂皮形成・皮膚の脱落・色素沈着過度が記録され、最終治療後6か月までにすべて寛解したと記されています。

このデータの意味は、機種の効果を示す数字というより、承認審査で何を根拠に有効性が評価されたかを示す記録という点にあります。何%減るという数値を持ち出す説明を見かけたときは、それが誰のどの機器のデータなのかを確かめる材料として使えます。

ジェントルレーズと同じキャンデラ社が出すジェントルヤグプロなどシリーズの種類

同じメーカーからは、名前の似た機器が複数出ています。検索候補にも派生した名称が並ぶため、ここで整理しておきます。

3学会がまとめた美容医療診療指針は、2021年10月時点で脱毛器として認可されていた機種の一覧に、GentleLase Pro・GentleMAX Pro・GentleYAG Proの3つを同じCandela社の製品として挙げています。同一メーカーの製品群であることは、この一覧から確認できます。

●検索で見かけるシリーズの名称
  • ジェントルヤグプロ (診療指針の認可機種一覧に名前がある)
  • ジェントルマックスプロ (国内の承認情報が公開されている)
  • ジェントルマックスプロプラス (国内の承認情報が公開されている)
  • ジェントルレーズプロu・ジェントルレーズpro-leなど (検索されている名称)
  • ジェントルシリーズ (製品群をまとめた呼び方)

このうち、ジェントルレーズプロuやpro-leと呼ばれる名称については、一次資料が見当たりません。そう検索されている名称であるという以上のことは書けないため、この記事では性能に踏み込みません。院内での呼び分けや通称として使われている可能性はありますが、この記事では確認できた範囲にとどめます。

ジェントルヤグプロについても、診療指針の一覧に名前があることは確認できるものの、電子添文を取得していないため性能は扱いません。国内で承認されているジェントル系の機器が何機種あるのかも、PMDAの全件を列挙できていないため断定できません。

なお、ジェントルマックスプロプラスについては電子添文が公開されており、アレキサンドライトレーザーの最大照射エネルギーが68 J、Nd:YAGレーザーの最大照射エネルギーが90 Jと、ジェントルマックスプロより高い値が記載されています。フルーエンスの上限はアレキ側150 J/cm²・Nd:YAG側520 J/cm²で、ジェントルマックスプロと同じ値です。

ジェントルレーズプロはどこまで効く?毛質や部位で変わる効果

ジェントルレーズプロが毛質や部位でどこまで効くか

効果の話は「効く」か「効かない」かの二択で語られがちですが、実際には同じ機種でも毛質と部位によって反応の程度が変わります。標的になるのが毛のメラニンである以上、メラニンの量が違えば熱の集まり方も変わるためです。

美容医療診療指針は、ロングパルスアレキサンドライトレーザーによる脱毛について、脱毛部位・毛包の深度・毛の太さや色調・皮膚の色調といった要素によって脱毛効果が劣る場合や硬毛化を生じる可能性があるとし、多様化した脱毛希望部位すべてに万能とは言えず注意を要すると述べています。

●反応の程度を左右する要素
  • 毛のメラニンの量 (太く濃い毛ほど熱が集まりやすい)
  • 毛包が皮膚のどのくらい深い位置にあるか
  • 皮膚側のメラニンの量 (色調が濃いほど表皮にも吸収される)
  • 照射に使うパルス幅とフルーエンスの設定

以下では、細い毛への対応・部位ごとの向き不向き・永久脱毛という言葉の扱い・色素性疾患への適応という4つの角度から、程度の差を見ていきます。脇・背中・腕・うなじ・鼻下など部位ごとの呼び名で語られる話も、突き詰めればこの4つに整理できます。

毛のメラニンの量によってレーザーの熱の集まり方が変わることを段階で示した図

ジェントルレーズプロが産毛(細い毛)に太い毛より短いパルス幅を使う理由

パルス幅は、レーザー光を放出し続ける時間のことです。審査報告書は、このパルス幅が可変で0.25〜100 msecの範囲で設定できる点を本品の特徴として明記しています。

なぜ可変であることが意味を持つのかというと、毛の太さによって適した照射時間が違うためです。電子添文の推奨治療パラメータの注記には、細い毛の治療は短いパルス幅、太い毛の治療は長いパルス幅の使用を推奨する、と書かれています。

●パルス幅の考え方
対象電子添文が推奨するパルス幅記事内での補足
細い毛 (産毛など)短いパルス幅熱が逃げる前に毛へ作用させる狙い
太い毛長いパルス幅太い毛の内部まで熱を行き渡らせる狙い

電子添文が示しているのはパルス幅の推奨までで、右の欄は読み手の理解を助けるための補足です。実際の設定は毛や肌の状態を診たうえで施術する側が決めるもので、表のとおりに組まれるとは限りません。

理論的な裏づけとして、審査報告書には、減毛用レーザのパルス幅としては毛包の熱緩和時間である40〜100 msecよりも短い時間であれば理論的に効果があると報告されている、という記述があります。熱緩和時間は、温まった組織の熱が周囲へ逃げていく時間の目安を指します。この時間より短く撃つことで、狙った場所に熱をとどめるという考え方です。

ただし、パルス幅を短くすれば産毛によく効くという単純な話ではありません。産毛はメラニンの量そのものが少ないため、設定を合わせても太い毛と同じ反応にはなりにくい側の毛です。この章の冒頭で見たとおり毛の太さや色調で差が出る以上、効かないのではなく程度が違うという捉え方が実態に近いでしょう。産毛の部位を契約に含めるかどうかは、反応の程度と必要になりうる回数を医師に確かめたうえで判断するとよいでしょう。

パルス幅と毛包の熱緩和時間の関係から狙った場所に熱をとどめる考え方を示した図

ジェントルレーズプロの顔脱毛やvioなど部位別の向き不向き

部位別の向き不向きを語るとき、機種の性能そのものよりも、電子添文に書かれた運用上の条件のほうが具体的な材料になります。ここでは3つの記載を手がかりにします。

1つ目が治療間隔の部位差です。電子添文の推奨治療パラメータの注記には、減毛の治療間隔として顔4〜6週間・体幹6〜8週間・脚8〜12週間という目安が示されています。部位によって間隔の目安が違うこと自体が、毛の性質の差を反映しているのでしょう。

2つ目がラージスポットの適用制限です。電子添文には、ラージスポット径は体幹 (陰部は除く)・四肢・顔面 (凹凸の少ない平坦な部位) など、凹凸の少ない平坦で広い部位に使用することと書かれています。逆に言えば、凹凸のある部位や陰部では大きいスポット径を使えないということになります。

3つ目が診療指針の一般記述で、脱毛部位や毛包の深度などによって効果が劣る場合があるという先ほどの記載です。

●部位ごとに何が判断材料になるか
部位のタイプ電子添文から読める条件押さえておきたい点
顔治療間隔の目安は4〜6週間眼窩縁は使用注意に挙がっている
体幹 (背中など)治療間隔の目安は6〜8週間平坦で広い部位はラージスポットの対象
脚・腕などの四肢治療間隔の目安は8〜12週間平坦な部位はラージスポットの対象
vio (陰部)ラージスポット径の適用から除外実際に使うハンドピースは診察と院の運用で決まる

表は電子添文の記載を部位のタイプごとに整理したものです。実際に照射できるかどうかや使うハンドピースは、診察と院の方針によって決まります。

顔の産毛のように細く色の薄い毛が多い部位では反応が穏やかになりやすく、vioのように太い毛が集まる部位では熱が集まりやすい代わりに体感の負担が大きくなりやすい、という傾向の差が出ます。顔の医療脱毛そのものの進め方は顔の医療脱毛を扱った記事のほうが詳しいため、そちらもあわせて確認するとよいでしょう。

なお全身脱毛やメンズ向けといったプランの区分は、機器の性能ではなく院ごとの契約上の区切りです。脱毛と同じ機器で肌に照射するレーザーフェイシャルという言葉も見かけますが、脱毛を目的とした照射とは設定が別の施術になります。適応の範囲については後の節で扱います。

ジェントルレーズプロで永久脱毛はできる?承認上の使用目的は長期的な減毛

この機種の承認をめぐって、記事の核になる一次事実があります。申請時に出された「永久」という表現が、審査の過程で削除されているという経緯です。

審査報告書によれば、申請時の使用目的は「本品は、レーザの選択的熱作用により、全てのスキンタイプに対する長期的又は永久的な脱毛又は減毛を目的とした装置である」という文言でした。

これに対してPMDAは、1回の治療で十分な減毛効果が得られるとは限らず繰り返しの治療が要ること、永久的で完全な脱毛効果を得ることはできないことが示されたと判断しています。さらに、臨床試験を実施したとしても永久的な脱毛効果を証明することは現実的に困難であるとして、使用目的を修正するよう申請者に指示したと記されています。

●申請時と承認時で使用目的がどう変わったか
段階使用目的の記載
申請時全てのスキンタイプに対する長期的又は永久的な脱毛又は減毛を目的とした装置
修正後 (承認時)長期的な減毛を目的とした装置

内容は審査報告書と厚生労働省の課長通知から引いた文言です。本機の申請時の使用目的にあった永久という語が削られ、長期的な減毛へ修正された経緯が記録として残っていることになります。

この判断は電子添文にも引き継がれています。重要な基本的注意事項には、治療前に患者へ説明し同意を得るべき内容として、複数回の治療が必要であり期待される効果は永久的なものではないこと、多毛化や硬毛化を含む有害事象が発生する可能性があることが挙げられています。説明が義務として書き込まれているという点が、この機種の位置づけを端的に示していると言えるでしょう。

いっぽう美容医療診療指針の推奨文には、ロングパルスアレキサンドライトレーザーによる脱毛について永久的脱毛効果を得やすいという表現があります。学会の文書と薬機法上の表現は、そもそも書かれている目的が違うと考えてください。承認の枠組みで言えるのは「長期的な減毛」までというのがこの記事の立場で、実際にどのくらい維持されるのかという長期の追跡データはよくある質問の章で扱います。

ジェントルレーズプロがシミ取りやそばかすに使える適応の範囲

使用目的の2文目には、アレキサンドライトレーザは表在性の皮膚良性色素性疾患の治療にも使用する、と書かれています。脱毛だけの機器ではないことは、この一文から確認できます。

ただし、ここから先は慎重に読む必要があります。表在性の皮膚良性色素性疾患というのは疾患群を指す言い方で、シミやそばかすと呼ばれるもののどれが該当するのかを、電子添文の記載だけで判定することはできません。日本語で「シミ」と呼ばれる状態には成因の違うものが含まれており、色素性の疾患として扱われるものもあれば、そうでないものもあります。

●適応の範囲を読むときの整理
  • 使用目的に色素性疾患に関する記載があること自体は電子添文で確認できる
  • どの状態が該当するかは診察のうえで医師が判断する領域になる
  • 電子添文には色素性病変の治療間隔として数か月おきという記載がある
  • 脱毛を目的とした照射とは治療の間隔も設定も異なる

肝斑・美肌・毛穴・ニキビといった言葉と結びつけて語られることもありますが、これらは承認された使用目的の範囲外です。「この機種でシミが取れる」と読み替えられる説明には、出所を確かめる価値があります。

なお、色素性疾患に関する一文が承認当時の使用目的になかったことは、比較の章で触れたとおりです。この適応がいつ加わったのかを示す文書は見つかっておらず、適応の範囲を語るときは参照している文書の版まで確かめる必要があります。

ジェントルレーズプロで抜けないのはなぜ?効果ないと感じる照射条件と毛質

ジェントルレーズプロで抜けないと感じる照射条件と毛質

施術を受けたのに抜けないと感じる、という声は検索候補にも表れています。この感覚を扱うには、原因を照射の設定側と毛質側に切り分けるのが実際的です。どちらの問題なのかで、次にできることが変わるためです。

●原因の切り分けの見取り図
切り口何が関わるか変えられるか
照射の設定フルーエンス・パルス幅・スポット径・冷却の条件診察のうえで施術する側が調整できる
毛質メラニンの量・毛の太さ・毛包の深さ変えられない条件として扱う
経過の見方何回目の時点での判断か・部位はどこか判断の枠組みを整えられる

表は原因を整理する枠組みで、個々の事例の診断ではありません。実際の判断は診察を受けた医師によります。

前提として、電子添文は複数回の治療が必要であることを患者に説明するよう定めています。1回で終わる想定の機器として承認されていないという点は、期待値をそろえるうえで押さえておきたいところです。

脱毛が抜けないと感じるときの原因を照射の設定側と毛質側に切り分けて次の一手を示した図

ジェントルレーズプロが弱いと感じるときの出力とパルス幅の設定

出力・強さ・照射レベル・パワーなど、設定に関わる言葉は同じ意味で使われているとは限りません。ここでは、電子添文と審査報告書に項目名がある数値だけを整理します。

●電子添文に記載のある照射条件の項目
項目記載されている範囲何を決める値か
フルーエンスアレキ側は最大150 J/cm²単位面積あたりに与えるエネルギーの量
パルス幅0.25〜100 msレーザー光を放出し続ける時間
スポット径6〜24 mm (標準は6〜18 mm)1回の照射で当たる面積
繰り返し周波数最大10 Hz1秒あたりに撃てる回数
冷却剤のスプレー時間0 (off)・20〜100 ms皮膚を冷やす時間
冷却剤のディレイ時間10〜100 ms噴射から照射までの間隔

いずれも機器の設定できる範囲を示す値です。画面に表示されるレベルの数字と、これらの値との対応は公開資料では確認できません。

ここで押さえておきたいのが、これらの項目が独立していないという点です。DCD (ダイナミッククーリングデバイス) は、照射に合わせて皮膚へ冷却剤を噴射する冷却の仕組みです。電子添文には、DCDは使用するレーザのパラメータに応じて設定し、高いフルーエンスを使用する場合にはスプレー時間を長くする、という指示があります。エネルギーを上げるなら冷却も併せて調整する、という関係になっています。

また電子添文は、初回治療は低めのフルーエンスから開始することを求めています。初回で反応が穏やかに見えるのは、設計上そうなりやすい進め方だからとも言えます。回を重ねるなかで設定を上げていく運用であれば、1回目の印象だけで判断するのは早いでしょう。

ハンドピースの選び方も関わります。ラージスポット専用のハンドピースは平坦で広い部位に限って使うものとされており、部位によっては標準のハンドピースで細かく照射することになります。同じ機種でも、部位と設定の組み合わせで進み方は変わります。設定の数値そのものは施術する側が決める領域なので、患者としては何回目でどう変えていく想定なのかを聞いておくのが現実的な確かめ方になります。

ジェントルレーズプロが白髪など色素の薄い毛に効きにくい理由

白髪に効くのかという問いは、原理から答えられる論点です。美容医療診療指針は、レーザー脱毛の機序について、レーザー光が毛のメラニンに吸収されて熱に変わり、その結果として毛包が破壊されると説明したうえで、白髪や金髪に対するレーザー脱毛の効果はほとんどないと述べています。

この記述で重要なのは、ジェントルレーズプロという機種に固有の話ではなく、レーザー脱毛という方法そのものについての説明だという点です。メラニンを標的にする以上、メラニンが乏しい毛では熱が集まりにくいという理屈になります。機種を変えれば解決するという性質の制約ではありません。

●メラニンの量で反応が変わる理由
  • レーザー光は毛のメラニンに吸収されて熱エネルギーに変わる
  • メラニンが乏しい白髪や金髪では、吸収される光の量そのものが少ない
  • 産毛も色が薄く細いため、太い毛に比べて熱が集まりにくい
  • 皮膚側にメラニンが多い場合は、毛以外にも光が吸収される

介護に備えて白髪の混じった部位を整えたいという相談もありますが、この原理は変わりません。毛が白くなる前に検討するかどうかという時間の論点として語られることが多いのは、そのためです。

いっぽうで、白髪が混じる部位のすべてで施術ができないという意味でもありません。同じ部位でも色の残っている毛には反応が期待できるため、どこまでを目標にするのかを事前にすり合わせておくことが、期待値の食い違いを防ぐ進め方になります。

ジェントルレーズプロが効果ないと知恵袋で言われる理由

知恵袋のようなQ&Aサイトで「効果ない」という言葉を見かけることがあります。ここでは個々の投稿の中身には立ち入らず、そう言われる背景を公開資料の側から説明します。投稿は個人の体験であり、事実として扱える資料ではないためです。

背景として挙げられるのは、次の3点です。

●「効果ない」と語られやすい3つの理由
理由一次資料での記述
条件によって効果に差が出る診療指針は、脱毛部位・毛包の深度・毛の太さや色調・皮膚の色調によって脱毛効果が劣る場合があると述べている
1回では完結しない設計になっている電子添文は、複数回の治療が必要であり期待される効果は永久的なものではないと患者に説明するよう定めている
色素の薄い毛には反応が乏しい診療指針は、白髪や金髪に対するレーザー脱毛の効果はほとんどないとしている

この3点を並べると、「効果ない」という言葉が指している中身が一様ではないことが見えてきます。回数の途中で判断している場合もあれば、反応しにくい毛質の部位を見ている場合もあります。期待していたのが永久的な効果で、承認上の使用目的が長期的な減毛だったという、前提の食い違いが背景にある場合もあるでしょう。

診療指針は同じ推奨文のなかで、多様化した脱毛希望部位すべてに万能とは言えず注意を要するとも述べています。万能ではないという但し書きが、指針の側にも書き込まれているわけです。

読む側として現実的なのは、投稿の件数や勢いで判断せず、自分の場合はどの理由に当てはまりそうかを確かめることでしょう。何回目の時点の話なのか・部位はどこか・毛の色はどうかという3点を自分の条件に当てはめると、次に相談すべき内容がはっきりします。口コミや評価という言葉で情報を集めるときも、この3つを補って読むと解像度が上がります。

ジェントルレーズプロは何回くらい必要?照射間隔と通う期間

ジェントルレーズプロが何回必要かと照射間隔と通う期間

何回くらい通えばよいのかという問いは、実際の検索でも尋ねられている論点です。ただし先に断っておくと、回数について公的な目安を示した一次資料はありません。電子添文にも審査報告書にも、何回で終わるという記述はありません。

書ける材料は2つです。1つが治療間隔の目安で、電子添文の推奨治療パラメータの注記に部位別の数値が載っています。もう1つが、複数回の治療が必要であるという電子添文の記述です。確認できるのはこの2つまでで、そこから通うペースを考えることになります。

●回数をめぐって書けることと書けないこと
論点公開資料での扱い
治療間隔の目安電子添文に部位別の週数の記載がある
複数回の治療が必要であること電子添文が患者への説明事項として定めている
何回で完了するかの目安一次資料に記載がない
何回目で何%減るかの目安一次資料に記載がない

上の整理は、公開資料に記載があるかどうかを示したものです。院ごとに提示される回数のプランは契約上の区切りであり、機器の承認情報から導かれた数値ではありません。

回数の目安が出回っていること自体は珍しくありませんが、出所をたどれない数値を計画の土台にすると、途中で判断がぶれます。この記事では照射間隔から、1年あたりに通える回数を見積もる形をとります。

ジェントルレーズプロの照射間隔は顔4〜6週・脚8〜12週

電子添文の推奨治療パラメータには、減毛の治療間隔として部位別の目安が注記されています。ここで見落とされやすいのが、アレキサンドライトレーザーの表とNd:YAGレーザーの表で、脚の値が違うという点です。

●電子添文に記載された治療間隔の目安
部位アレキサンドライトレーザーの表Nd:YAGレーザーの表
顔4〜6週間4〜6週間
体幹6〜8週間6〜8週間
脚8〜12週間10〜12週間
皮膚良性色素性病変数か月おき—

数値は電子添文の注記にもとづく目安です。同じ注記には、一般的な日本人が該当するスキンタイプはⅢ〜Ⅳであるという記載も添えられています。

この差は誤記ではなく、表ごとに別々に注記されているものです。どちらのレーザーで照射するかによって、間隔の目安も変わりうると読むのが素直でしょう。院で案内される間隔がこの範囲と違うこともありますが、それ自体が誤りとは限りません。

間隔が部位で違う背景には、毛の生えかわりの周期があります。レーザーが作用するのは成長している毛で、休んでいる毛には熱が集まりにくいため、次に生えそろうタイミングを見て照射する組み立てになります。毛の周期そのものの説明は毛周期と脱毛の関係を扱った記事のほうが詳しいため、そちらもあわせて確認するとよいでしょう。

通う期間を見積もるときは、この間隔に予約の取りやすさを掛け合わせて考えることになります。脚で8〜12週間の間隔なら、1年で通えるのは4回から6回程度という計算です。回数のプランを検討する際は、その回数を通いきるのに何年かかるのかを先に確かめておくと、契約後の見通しが立てやすくなります。

部位別の照射間隔の目安から1年に通える回数を見積もる考え方を示した図

ジェントルレーズプロで毛が抜け始めるのは何日後?1回目から5回目までの経過

照射から何日で抜けるのか、1回目と5回目でどう違うのかという疑問は、経過を追う立場では自然なものです。しかし脱落の時期について、公的な資料に数値の記載は見当たりません。

電子添文が定めているのは治療間隔であって、毛が抜け落ちるタイミングではありません。審査報告書には組織を調べた所見として、レーザ照射直後に毛包組織の損傷が観察され、1か月後には嚢腫状の毛包と異物巨細胞が観察されたという記述があります。ただしこれは組織の変化の観察であって、見た目の毛がいつ抜けるかを示したものではありません。

●経過について資料から言えること
  • 照射直後に毛包組織の損傷が観察されたという所見がある
  • 1か月後の時点でも組織の変化が観察されている
  • 複数回の治療が必要であると電子添文が定めている
  • 何日後に抜けるかという数値は資料に記載がない

数字が示せない以上、この記事では「何日後」という形の目安を書きません。代わりに、経過をどの単位で見るかという枠組みを示します。

経過を見るときに現実的なのは、次の照射までの間隔を1つの単位として観察することでしょう。顔なら4〜6週間、脚なら8〜12週間という間隔がある以上、その期間のなかで毛量や毛の太さがどう変わったかを見るのが、間隔の設計に沿った見方になります。1回目の直後だけを見て判断すると、初回は低めのフルーエンスから始めるという電子添文の指示とも噛み合いません。

なお、経過の記録やビフォーアフターの投稿を参考にする方もいますが、毛量も毛質も照射の設定も人によって違います。自分の経過をそこに重ねすぎると、順調でも遅れているように感じてしまうことがあります。目安として眺める程度にとどめるのが無難でしょう。

ジェントルレーズプロの痛みや赤みなど照射で起こるデメリット

ジェントルレーズプロの痛みや赤みなどのデメリット

デメリットとして語られる内容には、性質の違う2つが混ざっています。施術中の痛みと、照射後に起こりうる赤みなどの有害事象です。痛みは体感の問題で、赤みなどは電子添文に列挙されている事象にあたります。

この章では2つを分けて扱います。混ぜて語ると、痛みが少ないから肌への負担も少ないという読み替えが起きやすくなるためです。

●電子添文に列挙されている不具合・有害事象
分類記載されている事象
熱に関わるもの熱傷・水疱形成・痂皮形成
冷却に関わるもの冷却剤による凍傷
色素に関わるもの色素沈着・色素脱失
炎症・反応に関わるもの紅斑・浮腫・掻痒感・毛孔一致性の炎症・毛嚢炎
その他瘢痕形成・紫斑・照射部位及び照射周囲部の多毛化や硬毛化

分類はこの記事で読みやすさのために付けたもので、電子添文が分けているわけではありません。列挙されている事象がすべて起こるという意味でもありません。

審査報告書には、前世代品の文献評価による発現率として、色素沈着過度3.8%・痂皮形成2.8%・色素脱失2.4%という数値と、毛包炎が4,301件中44件で1.02%という数値が記載されています。前世代品についての集計である点に注意が要ります。報告された発現率を確かめる材料にはなりますが、事象どうしの頻度を並べて比べられるデータではありません。

ジェントルレーズプロの痛みはどのくらい?冷却ガスの噴射で比較的少ないとされる

痛みの感じ方は個人差が大きく、機種名だけで決まるものではありません。そのうえで、この機種には照射のたびに皮膚を冷やす仕組みが備わっています。

電子添文の作動原理には、治療時の皮膚の冷却装置としてダイナミッククーリングデバイス、略してDCDを備えていると記されています。審査報告書はさらに詳しく、レーザ照射時の皮膚を冷却する装置として、冷却剤をレーザ照射面に噴射すると説明しています。

●DCDの設定として記載されている値
項目電子添文の記載
寒剤1,1,1,2-テトラフルオロエタン 又は 1,3,3,3-テトラフルオロプロペン
スプレー時間0 (off)・20〜100 ms
ディレイ時間10〜100 ms
運用上の指示高いフルーエンスを使用する場合にはスプレー時間を長くする

値は電子添文の性能欄と使用方法の欄から引いています。冷却の温度についての数値は、電子添文にも審査報告書にも記載がありません。

ディレイ時間は、冷却剤を噴射してからレーザーを照射するまでの間隔を指します。噴射と照射のタイミングを機器側で組めることが、この仕組みの要点です。審査報告書には、パルス幅を変更しても、それに伴い冷却効果も調整することが可能であるという記述もあります。

学会側の位置づけも確認しておきます。美容医療診療指針は、ロングパルスアレキサンドライトレーザーによる脱毛について、皮膚冷却装置による表皮保護を併用することで熱傷などの合併症を避けながら比較的少ない疼痛で効果を得やすいと述べています。ただしこれはロングパルスアレキサンドライトレーザーという機種のクラスについての記述で、この機種を測定した値ではありません。

検索候補には「痛くない」という言葉も並びますが、資料の側でそう言い切っているわけではありません。指針が使っているのは比較的少ないという相対的な表現で、しかも他の方式との比較のなかでの位置づけです。vioや髭のように太い毛が集まる部位では熱が集まりやすく、体感の負担も大きくなりやすいという傾向は残ります。麻酔を用意しているかどうかは院ごとに異なり、機種の側で決まる要素ではありません。

冷却剤の噴射からディレイ時間を挟んでレーザーを照射するまでのタイミングを示した図

ジェントルレーズプロの冷却が強すぎたときの凍傷や脱毛効果の低下

冷却は肌を守るための仕組みですが、電子添文はそのリスクの側もはっきり書いています。過冷却によるレーザの効果減少や凍傷という記述がそれにあたります。冷やしすぎると肌を傷めるだけでなく、脱毛の効果そのものが落ちうるという指摘です。

具体的な注意事項として、電子添文には次のような記載があります。

●冷却をめぐって電子添文が挙げている注意
  • 冷却剤が照射部に均一に噴射されていることを確認する
  • 冷却剤の噴射方向の延長線上に連続照射しないようにする
  • 過冷却による凍傷を防ぐため、ディスタンスゲージを過度に皮膚に押し付けない
  • 連続照射中にディスタンスゲージ先端に過度の霜が見られた場合は照射を一時中断する
  • 冷却剤不足のメッセージが表示された場合は熱傷の恐れがあるためキャニスターを交換する

これらは医療者に向けた実施上の注意です。患者の側で操作する部分ではありませんが、冷却が効きすぎても効かなさすぎても問題が起こるという構図だけは知っておきたいところでしょう。

換気についての記載もあります。DCDが正常に動作せず冷却剤が大量に噴射された場合、呼吸器・皮膚・眼などに影響を及ぼす可能性があるとされています。長時間の連続噴射で治療室内の冷却剤の濃度が高くなった場合も同じで、適切な広さで換気を行える環境の治療室で使用することと定められています。

このほか、外部から冷風を当てる皮膚冷却装置を併用する運用もあります。電子添文には組み合わせて使用する医療機器として記載があり、注意事項として、過度な冷却をしないこと、患部を冷却し続けることは避けることが挙げられています。冷風が一箇所に当たり続けると、低体温による壊死や先端部低体温症になる可能性があるという記述も添えられていました。冷却は強ければよいという性質のものではないという点が、複数の記載から読み取れます。

ジェントルレーズプロのやけど・赤みなど電子添文にある有害事象

章の冒頭で挙げた有害事象の一覧について、読み方を補っておきます。列挙されているのは、報告されうる事象の範囲であって、発生する頻度を示したものではありません。

副作用・色素沈着・ダウンタイム・水疱・痂皮・毛嚢炎・紫斑などの言葉で語られる内容は、おおむねこの一覧のなかに収まります。赤みは紅斑として、いわゆるやけどは熱傷として、それぞれ電子添文に記載があります。

●有害事象を理解するための一般的な整理
事象関連して確認しておきたい点
熱傷・水疱形成・痂皮形成与えた熱に対して冷却や設定が見合わなかった場合
冷却剤による凍傷冷却が過度になった場合
色素沈着・色素脱失皮膚側のメラニンが反応した場合
毛嚢炎・毛孔一致性の炎症毛穴の周囲に炎症が起きた場合
多毛化・硬毛化照射部位と照射周囲部で毛が濃くなる反応

右の欄は一般的な理解を補うための整理で、電子添文がこの対応を示しているわけではありません。実際の原因は診察のうえで判断されます。

このなかで説明の義務と結びついているのが硬毛化です。電子添文の重要な基本的注意事項は、レーザ脱毛により照射部位及び照射周囲部の多毛化や硬毛化を含む有害事象が発生する可能性があることを、治療前に患者へ説明し同意を得るよう定めています。起こりうる事象として承認文書に書き込まれているという位置づけです。詳しい対処の考え方は硬毛化を扱った記事にまとめてあります。

重大な不具合としては、高圧電源部の破損のほか、ファイバーケーブルの破損・冷却剤の突発的噴出・内部循環水の漏出が挙げられています。設定耐用年数は初回納品時より10年です。機器側のトラブルまで書き込まれているのは、定期的な保守を前提にした機器だからでしょう。

ジェントルレーズプロの照射を避ける人や部位など施術前の条件

ジェントルレーズプロの照射を避ける人や部位と施術前の条件

電子添文には、照射してはいけない対象と、慎重に扱うべき対象が分けて書かれています。禁忌と使用注意は別の区分で、混同すると必要以上に諦めたり、逆に危険を見落としたりすることになります。

●電子添文が禁忌・禁止として挙げている対象
  • 皮膚悪性腫瘍がある部位
  • 755nm 又は 1064nm の波長域の光に過敏な、又は光線過敏症のある患者
  • 単純ヘルペスウイルス1型・2型の活動性病変を有する部位
  • 開放創・感染状態にある皮膚
  • 刺青を入れた皮膚
●電子添文が使用注意として挙げている対象
  • 日光皮膚炎・光過敏性発作のある場合
  • 抗凝固剤・鉄剤・サプリメントを服用中の場合 (紫斑を起こしやすい)
  • 全身状態が不良な場合
  • ケロイド・肥厚性瘢痕のある部位
  • フィラー注入部位・金属系インプラント埋植部位
  • 黒子のある部位・眼窩縁
  • 妊婦及び妊娠の疑いのある患者

いずれも電子添文の記載です。当てはまるかどうかの判断は診察を受けた医師によります。なお、毛孔性苔癬は今回確認した禁忌・使用注意のいずれにも明記されていません。一覧にあるかどうかで自己判断せず、気になる所見は診察で相談してください。

この2つの区分を踏まえて、問い合わせの多い日焼けとほくろ、そして施術前の準備について順に見ていきます。

ジェントルレーズプロは日焼けや色黒の肌でも照射できる?

まず区分から確認します。日焼けした肌そのものは、禁忌の一覧に挙がっていません。使用注意として挙がっているのは日光皮膚炎です。禁忌と使用注意は別の区分ですし、肌の色が濃いこと自体はどちらの一覧にも挙がっていません。

いっぽうで、色調の濃い肌への照射については別の記載があります。電子添文の使用上の注意には、色調が濃いスキンタイプや部位にはNd:YAGレーザによる治療を検討することと書かれています。

●日焼けや色調をめぐる記載の整理
状態電子添文での扱い
日焼けした肌そのもの禁忌の一覧には挙がっていない
日光皮膚炎使用注意として記載
755nmや1064nmの光に過敏な状態禁忌として記載
色調が濃いスキンタイプや部位Nd:YAGレーザによる治療を検討することと記載

区分は電子添文の分け方をそのまま写したものです。実際に照射できるかどうかは、診察のうえで判断されます。

ここで前の章の話がつながります。Nd:YAGレーザによる治療を検討するという指示は、Nd:YAGレーザヘッドを備えていない構成の実機では実行できません。電子添文には、Nd:YAGレーザヘッドを取り付けないアレキサンドライトレーザ単体の装置に加えて複合機のタイプもあると記載されています。機種名が同じでも、置かれている実機の構成によって選べる手が変わるということでしょう。

したがって、日焼けや色調が気になる場合に確かめたいのは、機種名ではなくその院の実機でNd:YAGレーザーを使えるのかという点になります。加えて、日光皮膚炎にあたるかどうかは肌の状態を診たうえでの判断になります。照射の予定と日焼けしやすい時期が重なるなら、事前に相談しておくと予定を立て直しやすくなります。

ジェントルレーズプロで使用注意になるほくろと禁忌の刺青

ほくろと刺青は、扱いがはっきり分かれています。黒子のある部位は使用注意、刺青を入れた皮膚は禁忌です。

電子添文は区分を分けているだけで、なぜ分かれるのかまでは示していません。一般には、刺青の色素が人工的に入れられたもので量も多く、レーザーのエネルギーが集中すれば熱傷や瘢痕につながりうる点が挙げられます。ただしこれは資料で裏づけられた説明ではないため、判断は診察に委ねられます。

●ほくろと刺青の扱いの違い
対象電子添文での区分実務上の対応として考えられること
黒子 (ほくろ) のある部位使用注意保護して避けるなど部位単位での対応
刺青を入れた皮膚禁忌・禁止その部位への照射を行わない

区分は電子添文の記載です。右の欄は一般的な理解を補うための記述で、実際の対応は院の方針と診察によります。

現実には、ほくろが1つあるだけで部位すべての施術ができなくなるわけではありません。部位のなかでどこを避けるかという話になりやすいためです。ただし判断は診察を受けた医師が行うものなので、ほくろの数や大きさが気になる場合は、カウンセリングの段階で実際に見てもらうのが早道でしょう。

刺青については、部位に入っている場合その部位への照射が行えません。契約の範囲に関わるので、契約前に伝えておくほうが行き違いを防げるでしょう。同様に、単純ヘルペスの活動性病変や開放創のある部位も禁忌に挙がっており、その日の肌の状態によって照射を見送る判断が出ることもあります。

ジェントルレーズプロの照射前に行う剃毛やテスト照射

電子添文には施術前後の要件が書かれていますが、これは医療者に向けた実施手順です。医療機関が行うことと、患者の側が確認・準備することを分けて読む必要があります。

●電子添文に記載された施術前の要件
記載内容誰が行うことか
治療部位は処置前に剃毛し、清潔かつ乾燥した状態に保つ院の方針により患者の自己処理か院での処理か分かれる
治療の6週間以内にピンセットやワックスによる脱毛は行わない患者が事前に守る内容
小範囲にテスト照射を行い、1〜2週間後の照射部位の反応を確認したうえで最適なフルーエンスを決定する医療機関が行う手順
初回治療は低めのフルーエンスから開始する医療機関が行う手順

記載は電子添文の使用方法等に関連する使用上の注意の欄から引いています。実際の運用は院ごとに異なる場合があります。

このなかで患者の側に直接関わるのが、6週間以内にピンセットやワックスによる脱毛を行わないという条件です。毛を根元から抜いてしまうと、レーザーが標的にする毛そのものが照射のときにない状態になります。剃るのは差し支えありませんが、抜く処理は避ける、という区別だと考えてください。

テスト照射については、電子添文が1〜2週間後の反応を確認したうえでフルーエンスを決めると記しています。テスト照射の当日に本照射まで進む運用は、この記載とは組み立てが違うと言えるでしょう。どちらが正しいという話ではなく、院の運用がどうなっているかを確かめる材料として使えます。

施術前に医療機関が行う手順と患者が守る内容を分けて整理した図

ジェントルレーズとラフィーユなど他社の脱毛機の違い

ジェントルレーズと他社の脱毛機の違い

他社の機種と並べたいという需要はありますが、ここには資料の非対称があります。機種によって、公開資料で確認できる情報の量がまったく違うのです。承認情報が公開されている機種もあれば、この記事で参照した資料に記載が見当たらない機種もあります。

そのため、この章では性能の数値を横並びにする形をとりません。代わりに、公開資料で何が確認できるかという項目で並べます。確認できる範囲が違うという事実そのものが、比較を読むときの前提になるためです。

●公開資料で確認できる項目で並べた比較
機種名メーカーPMDAの承認情報学会指針の認可機種一覧 (2021年10月時点)使用目的に含まれる範囲この記事で参照できた資料
ジェントルレーズプロCandela社電子添文と審査報告書が公開されている記載あり長期的な減毛・表在性の皮膚良性色素性疾患電子添文・審査報告書・厚労省通知・学会指針
ジェントルマックスプロCandela社電子添文が公開されている記載あり長期的な減毛・色素性疾患・表在性毛細血管拡張症状電子添文・学会指針
ジェントルマックスプロプラスCandela社電子添文が公開されている記載なし長期的な減毛・色素性疾患・表在性毛細血管拡張症状電子添文
ジェントルヤグプロCandela社本記事では取得していない記載あり本記事では確認していない学会指針
メディオスター NEXT PROメディカルユーアンドエイ社本記事では取得していない記載あり本記事では確認していない学会指針
ラフィーユ—本記事で参照した資料には記載が見当たらない記載なし本記事では確認していない—

表は本記事が参照した公開資料での確認状況を示すものです。記載が見当たらないことは、その機器の性能や適法性についての評価ではありません。

この形にした理由は2つあります。1つは、数値の裏づけがある機種とない機種を同じ表に並べると、読む側が同じ確度の情報だと受け取ってしまうためです。もう1つは、承認情報の有無が読者にとって実際に意味を持つ情報だからです。

脱毛機を比べるときに公開資料のどの層で何が確認できるかを整理した階層図

ジェントルレーズとラフィーユはどっちがいい?公開情報でできる比較の範囲

どちらがいいかという問いに、公開資料の側から答えられる範囲を確かめます。結論から言えば、性能を突き合わせた比較はできません。

ジェントルレーズプロについては、電子添文で波長・フルーエンス・パルス幅・スポット径・冷却の条件まで確認できます。審査報告書では作用機序と審査の判断まで追えます。承認年月日は厚生労働省の課長通知に記載があります。

いっぽうラフィーユについては、この記事が参照したPMDAの文書・3学会の美容医療診療指針・査読論文のいずれにも記載が見当たりませんでした。学会指針が2021年10月時点で挙げている認可機種の一覧にも名前がありません。

●比較の材料がどこまでそろうか
比較したい項目ジェントルレーズプロラフィーユ
波長電子添文に記載がある参照資料に記載が見当たらない
フルーエンスやパルス幅電子添文に記載がある参照資料に記載が見当たらない
使用目的電子添文に記載がある参照資料に記載が見当たらない
作用機序の公式な記述審査報告書に記載がある参照資料に記載が見当たらない

表が示しているのは確認できた資料の範囲であって、機器の優劣ではありません。

誤解のないように書いておくと、資料が見当たらないことと、承認されていないことは同じではありません。この記事はPMDAの全件を列挙できておらず、そう断定できる立場にありません。書けるのは、承認情報を確認できたのはジェントルレーズプロの側であるという事実までです。

読者として現実的なのは、どちらがいいかを機種名で決めようとせず、受けようとしている院で使われる機器について何が確認できるのかを聞くことでしょう。導入している機器の販売名と承認番号を尋ねれば、PMDAの公開情報で自分でも確かめられます。機種名の知名度より、確かめられる情報があるかどうかのほうが判断に効きます。

ジェントルレーズは蓄熱式ではない?学会指針にある単発式という呼び方

蓄熱式かどうかという問いにも、資料の側から答えられる範囲があります。PMDAの文書には「蓄熱式」も「熱破壊式」も登場しないことは定義の章で見たとおりで、では学会の文書はどうかというと、別の言葉が使われています。

美容医療診療指針は、蓄熱式に対置される区分について「従来の高フルエンスによる単発照射で毛包を熱損傷させるに十分なエネルギーを与える機器」と説明し、これを単発式と呼んでいます。

ここで注意したいのが、指針はカテゴリを定義しているのであって、この機種を単発式に分類しているわけではないという点です。個々の機種をどちらに振り分けるかという記載はなく、この記事で書けるのも、そういう呼び方が学会の文書にあるというところまででしょう。

●方式の呼び方をめぐる整理
呼び方どこで使われているか
熱破壊式・蓄熱式業界で使われている呼び方。PMDAの電子添文と審査報告書には登場しない
単発式美容医療診療指針が蓄熱式に対置するカテゴリとして定義している
選択的熱作用による毛包の選択的破壊審査報告書がこの機種の作用機序として記している表現

整理は各文書での使われ方を示したもので、呼び方の正誤を判定するものではありません。

比較の場面では、この一覧に載っていない名前も多く挙がります。アバランチレイズ・スプレンダーx・ソプラノチタニウム・クリスタルプロなどの名称は検索でもよく見かけますが、メーカーも搭載しているレーザーも設計思想もそれぞれ違います。方式の呼び方だけで同じ枠に入れると、実際の差が見えなくなります。

●機種を比べるときに混ざりやすい区分
  • 光源の種類 (アレキサンドライトレーザー・Nd:YAGレーザー・ダイオードレーザーなど)
  • 熱の与え方の設計 (1発あたりを高くするか、重ねてためるか)
  • 販売名や製品名 (同じ光源でも製品ごとに名称が違う)
  • 業界で使われる方式の呼び名 (文書によって定義が違うことがある)

蓄熱式そのものの仕組みは、この記事の主題から外れます。ダイオードレーザーを使う機種を含めた蓄熱式の話はメディオスターと蓄熱式を主題にした記事で扱います。ここでは、方式名は機種を理解する入口にはなるものの、そこで判断を終わらせないという点だけ押さえておけば十分でしょう。

ジェントルレーズプロで脱毛を始めるときの選び方

ジェントルレーズプロで脱毛を始めるときの選び方

ここまでの材料をふまえて、実際に受けるかどうかを判断する段階に移ります。KNOWの立場で言えば、判断の軸は機種名ではなく自分の条件がこの機種の得意な範囲に入っているか、そして受ける院で何が確かめられるかの2つです。

●ジェントルレーズプロが向いていると考えられる人
  • 毛が太く色が濃い部位を中心に施術を考えている方
  • 肌の色調が明るく、755nmの波長が使いやすい条件にある方
  • 長期的な減毛という承認上の位置づけを理解したうえで通える方
  • 部位ごとに間隔を空けながら年単位で通う計画を立てられる方
●別の方式を検討したい人
  • 白髪や色の薄い産毛が中心で、レーザーの方式を変えるだけでは解決しにくいため施術の方法そのものを相談したい方
  • 肌の色調が濃く、Nd:YAGレーザーを使える構成が要りそうな方
  • 刺青が入っている部位を含めて施術したいと考えている方
  • 1回で完了する施術を求めている方

2つの一覧は公開資料から導いた考え方の整理で、診断ではありません。どちらに当てはまるかの判断は、診察を受けた医師によります。

●費用を見るときの考え方

機器本体の価格は、一般向けに定価として公表されていません。医療機器は医療機関に向けて販売されるもので、購入する立場にあるのはクリニックの側です。値段や価格という言葉で調べても出所のある数値にたどり着きにくいのは、そのためです。

施術の料金についても、機器の導入費用がそのまま反映されるという単純な関係ではありません。料金は施術時間や人員の配置、プランの設計によって決まり、院ごとに異なります。同じ機種を置いていても料金が違うのは、その差によるものです。

ジェントルレーズプロは医師以外でも施術できる?厚生労働省の通知にある承認条件

この機種の承認には条件が付いています。電子添文と厚生労働省の課長通知の両方に、同じ趣旨の記載があります。逐語では「本品の適応に関連する十分な知識・経験を有する医師が、講習の受講等により、本品の使用に関する技能や合併症等に関する知識を得た上で、本品が適切に用いられるよう、関連学会と連携の上で必要な措置を講ずること」という文言で、十分な知識と経験を持つ医師が講習などで技能と合併症の知識を得たうえで使う条件だと読めます。

この条件は警告欄にも同趣旨で書かれており、使用する立場として医師が想定されていることが読み取れるでしょう。

さらに踏み込んだ記載もあります。厚生労働省の課長通知には、薬事・食品衛生審議会での本品の審議において、医行為であるレーザ脱毛を医師以外の者が行う違法行為を懸念する意見があった、と記されています。そのうえで販売等にあたっては、相手方が使用上の注意を遵守し得ないことが明らかな場合には販売等を行わないなど、留意すべき事項が示されました。

●承認条件から読めること
  • 使用する立場として医師が想定されている
  • 講習の受講など、知識と技能を得たうえで使うことが条件になっている
  • 医師以外による脱毛行為への懸念が審議の場でも示されていた
  • 販売の場面でも遵守を確認するよう留意事項が出されている

家庭用の脱毛器と同じ言葉で語られることがありますが、承認の枠組みそのものが違います。この機種はレーザクラス4の高度管理医療機器で、医療機関で医師の管理のもとに使われる前提の機器です。セルフで同じ施術を再現することはできませんし、肌トラブルが起きたときの診察と処置も受けられません。

ジェントルレーズプロのカウンセリングではテスト照射やスキンタイプを聞いておく

最後に、患者の側が確かめる内容を整理します。ここまで見てきた記載のうち、院によって運用が分かれる部分が確認のポイントになります。

●カウンセリングで確かめておきたいこと
  • 実機の構成にNd:YAGレーザーが含まれるか (色調が濃い部位への選択肢に関わる)
  • テスト照射を行うか、行う場合は何週間後に本照射へ進むか
  • 自分のスキンタイプをどう見立てているか
  • 部位ごとの照射間隔をどのくらいで組む想定か
  • 剃毛を院で行うか、自己処理で来院するか
  • 硬毛化などの有害事象が起きた場合の対応をどうするか

一覧は電子添文の記載から患者側の確認事項として組み直したものです。院の方針によって答えが分かれる項目であり、どの答えが正しいというものではありません。

このなかで特に効くのが、実機の構成と照射間隔の2つでしょう。実機の構成は日焼けや色調が濃い部位への対応に直結しますし、照射間隔は通いきれるかどうかの見通しに直結します。どちらも契約の前に聞けば答えが返る内容です。

判断がつかないときは、1院だけで決めないという進め方が現実的な対策になります。カウンセリングは複数受けても差し支えなく、説明の中身を比べること自体が検討の材料になります。通える地域から院を探す段階なら、東京エリアの医療脱毛クリニックの選び方を扱った記事が手がかりになります。料金や実際の運用まで比べたい場合は、レジーナクリニックの料金と口コミやルシアクリニックの料金と口コミを扱った記事もあわせて確認できます。

ジェントルレーズプロのカウンセリングで確かめておきたい6つの項目をまとめた図

ジェントルレーズプロのよくある質問

ジェントルレーズプロのよくある質問

ここまでで触れきれなかった疑問を、公開資料の範囲でまとめます。

ジェントルレーズプロは妊娠中でも受けられる?

電子添文は妊婦を禁忌ではなく使用注意として扱っています。記載は、妊婦・胎児に対する安全性は確立されていないため、妊婦及び妊娠の疑いのある患者へは慎重に使用することという内容です。

禁忌ではないという点は事実ですが、慎重に使用するという条件が付いている以上、実際には時期を見合わせる判断になることが多いでしょう。安全性が確立されていないというのは、危険であることが示されたという意味ではなく、確かめるためのデータがそろっていないという意味です。

契約の途中で妊娠が分かった場合は、有効期限の扱いや休会の可否が院ごとに違います。契約前に休会の制度を確かめておくと、時期を選び直すときの選択肢が増えるでしょう。

ジェントルレーズプロはメンズの髭にも使われる?

電子添文の使用目的には、性別や部位を限定する記載がありません。長期的な減毛を目的とした装置とされているだけです。したがって髭を含む部位に使われること自体は、承認の枠組みと矛盾しません。

そのうえで、髭は反応の出方が両極に振れやすい部位です。毛が太く色が濃いためメラニンが多く熱が集まりやすい一方で、毛包が深い位置にあり本数も多いという性質があります。診療指針も毛包の深度によって効果が劣る場合があると述べています。体感の負担が大きくなりやすい部位でもあります。

男性の髭脱毛の進め方や部位の区切りは、髭の医療脱毛を主題にした記事で扱います。この記事では、機種側の適応という論点にとどめます。

ジェントルレーズプロで減った毛は何年くらい維持される?

長期の追跡データとして参照できるのは、美容医療診療指針が引用している研究です。ただし主語に注意が要ります。これは特定の製品ではなく、ロングパルスアレキサンドライトレーザーによる脱毛という機種のクラスについての成績です。

指針が引用しているRusseらの報告では、2施設948人を対象とし、最終治療から11.5年前後まで追跡できた173人のうち152人、割合にして87.9%で脱毛状態が維持されていたとされています。報告は、永続的な脱毛効果と高い患者満足度が得られる安全で有効な方法であると結論づけています。

●この数値を読むときの前提
  • 特定の製品名についての成績ではなく、レーザーのクラスについての報告である
  • 追跡できたのは948人のうち173人で、全員を追えたわけではない
  • 学会の文書での記述であり、薬機法上の承認の範囲とは別のレイヤーになる
  • 承認上の使用目的は長期的な減毛であり、永久的な効果を保証するものではない

指針の側と承認の側で表現が食い違って見えるのは、文書の目的が違うためです。この記事は承認の枠組みを主に置き、学会側の記述は出典を示したうえで参照するという立場をとっています。長期の見通しを考える材料としては使えますが、自分の結果を約束する数値ではありません。

●そのほかによくある質問

ジェントルレーズプロは何回で終わりますか?

回数の目安を示した公的な資料は見当たりません。電子添文にあるのは治療間隔の目安と、複数回の治療が必要であるという記述までです。院で案内される回数は契約上の区切りであり、機器の承認情報から導かれた数値ではありません。

ジェントルレーズプロとジェントルマックスプロは、どちらが痛みが強いですか?

痛みの強さを2機種で比較した資料は見当たりません。電子添文の記載で差が出ているのはNd:YAGレーザー側のフルーエンス上限とスポット径の構成で、アレキサンドライトレーザー側の記載は一致しています。体感は設定と部位によって変わります。

施術の当日にジェルを塗りますか?

この機種は照射のたびに冷却剤を噴射するダイナミッククーリングデバイスを備えており、電子添文にジェルに関する記載はありません。ハンドピースを滑らせる方式ではジェルを使う運用があり、方式によって進め方が変わる点にご注意ください。

脱毛と同じ機器でシミの治療も受けられますか?

使用目的には、アレキサンドライトレーザは表在性の皮膚良性色素性疾患の治療にも使用するという記載があります。ただしどの状態が該当するかを電子添文から判定することはできません。診察のうえで判断される領域であり、脱毛とは治療の間隔も設定も異なります。

前日にやっておくことはありますか?

電子添文は、治療部位を処置前に剃毛し清潔かつ乾燥した状態に保つこと、治療の6週間以内にピンセットやワックスによる脱毛を行わないことを求めています。剃るのは差し支えありませんが、抜く処理は避けてください。

ここまで読んで、ジェントルレーズプロという機種について公開資料から何が言えるのかは、輪郭が見えてきたのではないでしょうか。判断の軸は3つです。自分の毛質と肌の色調が、実機で使える波長に合うか。部位ごとの照射間隔で通院を続けられるか。受ける院で実機の構成と手順を確かめられるか。この3点を持ってカウンセリングの段階に進めば、機種名だけで決める必要はなくなります。

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