膝のヒアルロン酸注射を何度か受けたものの、思ったほど痛みが和らがない。そんな悩みを抱えている方は、少なくありません。
ヒアルロン酸注射は、変形性膝関節症の初期段階で痛みの緩和が期待できる治療法ですが、すべての方に同じ効果が出るわけではなく、症状の進行度や痛みの原因によって効果の感じ方は異なります。
この記事では、ヒアルロン酸注射が効かないと感じる原因、効果を左右する要素、そして次に検討できる治療の選択肢などの情報をまとめました。膝の痛みと向き合うための判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。
ヒアルロン酸注射とは膝の痛みに対してどのような治療か
ヒアルロン酸注射は、膝関節の中にヒアルロン酸を直接補充することで痛みの緩和を目指す保存療法(手術をしない治療)の一つです。変形性膝関節症の治療において、整形外科で広く用いられています。
ただし、この治療はあくまで対症療法であり、軟骨そのものを再生させるものではありません。効果の感じ方にも個人差があるため、まずは治療の目的と仕組みを正しく知っておくことが大切です。
関節内にヒアルロン酸を補充する目的と仕組み
ヒアルロン酸注射の目的は、膝関節の滑りを良くし、痛みや炎症を和らげることにあります。
ヒアルロン酸はもともと人の体内に存在する成分で、関節内の滑液(かつえき)に含まれています。滑液は、骨や軟骨同士が接触する際の摩擦をやわらげる働きや、動作時の衝撃を和らげるクッションの役割を担っています。しかし、加齢や変形性膝関節症の進行に伴い、滑液中のヒアルロン酸の量が減少すると、関節の動きがぎこちなくなり、痛みや炎症が生じやすくなります。
この不足したヒアルロン酸を注射で関節内に直接注入することで、関節面の摩擦が軽減され、膝の動きが改善するとされています。また、ヒアルロン酸には炎症を抑える作用も報告されており、膝の腫れや「水がたまる」といった症状の緩和にもつながることがあります。
厚生労働省の推計によると、変形性膝関節症の潜在的な患者数は国内で約3,000万人とされ、自覚症状のある方だけでも約1,000万人にのぼります。
日本整形外科学会が公開している「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」では、ヒアルロン酸の関節内注射について「有用である」としている一方で推奨度は「弱い(実施することを提案する)」と記載されています。
痛みの緩和が持続する期間の目安
初期のヒアルロン酸注射1回あたりの効果の持続期間は、繰り返し注入することで関節内の環境が少しずつ整い、痛みの改善が平均で5〜13週間持続したという報告があります。
参考:Intra-articular Injections of Hyaluronic Acid and Other Drugs in the Knee Joint|PubMed
治療の流れとしては、まず週1回のヒアルロン注射を3~5回連続で行い、その後、医師の判断で施術間隔を調整します。間隔は数週間ごとの方もいれば、数カ月ごとの方もおり、個人の症状や生活状況によって差があります。
注入したヒアルロン酸は時間の経過とともに体内に吸収されるため、効果は一時的です。また、変形性膝関節症が進行している場合には、痛みを緩和しにくくなります。
「最初は楽になったのに、最近は効かなくなってきた」と感じる方は、膝の状態が変化している可能性があります。効果の持続期間が明らかに短くなった場合は、漫然と注射を続けるのではなく、担当の医師に膝の状態を改めて確認してもらいましょう。
ヒアルロン酸注射が効かないと感じる原因
ヒアルロン酸注射が「効かない」と感じる場合、原因は一つとは限りません。膝関節の状態、痛みの発生部位、注射の条件など、複数の要因が関わっていることがあります。
ここでは、主に考えられる原因を整理します。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
変形性膝関節症の進行により効果が得にくくなる
ヒアルロン酸注射は、変形性膝関節症の初期段階で最も効果を実感しやすいとされています。ただし、病状が進行すると、効果を感じにくくなることがあります。
変形性膝関節症が進行すると、膝関節の軟骨がすり減り、末期には骨同士が直接ぶつかるような状態になります。こうなると、ヒアルロン酸を注射しても、十分な潤滑作用が発揮されにくくなる場合があります。
さらに、関節内の炎症が強くなると、ヒアルロン酸の抗炎症作用だけでは症状の改善が難しくなることもあります。軟骨のすり減りが進むスピードは人によって異なりますが、肥満や運動不足、過度な膝への負担は進行を早める原因となることがあります。
注射を繰り返しても痛みが改善しなくなった場合、病状の進行により別の治療法が検討されるべきサインかもしれません。効果を感じられなくなった場合は、膝の状態を再評価するために、レントゲンやMRIで再確認してもらうことが重要です。
痛みの原因が関節内ではなく周辺組織にある
ヒアルロン酸注射は、膝の「関節内」に生じている痛みに対して効果が期待できる治療です。しかし、膝の痛みの原因が関節内ではなく、靱帯(じんたい)、腱(けん)、筋膜、滑液包(かつえきほう)などの周辺組織にある場合、ヒアルロン酸注射では十分な効果を発揮できません。
例えば、鵞足炎(がそくえん)や膝の神経絞扼(こうやく)、内側側副靭帯の損傷などは、関節内ではなく周辺組織に原因がある痛みです。
こうした「関節外」の痛みに対しては、ヒアルロン酸注射ではなく、理学療法やリハビリテーション、ステロイド注射など、別の治療が必要になります。
ヒアルロン注射を打っても痛みに変化が見られない場合、関節外の組織に問題がないか調べてもらいましょう。レントゲンで変形性膝関節症と診断されていても、痛みの原因が関節外にある場合、関節内への注射だけでは改善が難しいのは当然のことです。そのため、膝の痛みの原因を正確に特定し、適切な治療法を選ぶことが非常に重要です。
注射の回数や間隔が症状に合っていない
ヒアルロン酸注射は、1〜2回受けただけでは十分な効果を実感できない場合があります。一般的には、週1回の注射を5回連続で行い、その後に効果を評価するのが標準的な流れです。
例えば、最初の数回で「あまり変わらない」と感じて通院をやめてしまったり、自己判断で注射の間隔を空けすぎたりすると、本来得られるはずの効果を実感できないまま治療を中断してしまうことがあります。
一方で、痛みが軽減しているにもかかわらず間隔を詰めて注射を続けると、感染症や神経損傷のリスクが高まる可能性があるため、注意が必要です。
注射の回数や間隔は、膝の症状や経過に応じて、担当医と相談しながら決めることが重要です。通院のペースが生活の中で負担になることもありますが、治療効果を正しく評価するためには、まずは決められた回数を受けきることが前提になります。
注射が関節内に正確に届いていない可能性
意外に見落とされがちな原因の一つが、注射の薬液が関節の中に正確に届いていないケースです。
変形性膝関節症が進行して関節の変形が強くなると、本来注射すべき関節の隙間(関節腔)に針が届きにくくなることがあります。薬液が関節外の組織に入ると、注入時に強い痛みを感じたり、治療効果を得られなかったりします。
そのため、近年では超音波(エコー)ガイド下注射という方法も使用されています。超音波を使って針先の位置をリアルタイムで確認しながら注射を行うので、正確に関節内へ薬液を届けやすくなります。
注射を受けた際に強い痛みを感じたり、何度治療を受けても効果が実感できなかったりする場合、注射の手技が原因であることも考えられます。担当医に相談し、必要に応じて再評価を受けることが重要です。
効果を実感しにくいと感じてしまう背景
ヒアルロン酸注射に対する期待値と実際の効果のあいだにギャップがあると、「効かない」という印象が生まれやすくなります。
治療そのものに問題がなくても、捉え方や生活習慣の影響で効果を感じにくくなるケースもあるため、ここではそうした背景を確認しておきましょう。
一時的な痛みの緩和を「効かない」と捉えるケース
この点を十分に理解していないと、「注射を打ったのに膝が治らない」「しばらくすると元に戻る」と感じ、結果として「効かない」と判断してしまうことがあります。
実際には、痛みが和らいでいる期間があったなら、ヒアルロン酸注射は一定の効果を発揮しているといえます。ただ、痛みが和らいだからと活動量や運動量を増やして膝に負担をかけてしまうことで、関節の状態を悪化させる原因となることがあります。
「痛みが消えた=治った」と思い込まずに、膝のケアを続けることが重要です。痛みが和らいでいるときこそ、膝に優しい生活を心がけるとともに、定期的に医師に相談して、適切な治療を続けることが大切です。
体質や生活習慣が効果の感じ方に影響する場合
同じ治療を受けても、効果の出方には個人差があります。体質による違いに加え、日常の生活習慣が注射の効果に影響を与えることがあります。
例えば、体重が増えると膝にかかる負荷も大きくなるため、ヒアルロン酸による潤滑の改善だけでは痛みを十分に軽減できない場合があります。歩行時に膝にかかる荷重は体重の約2~3倍ともいわれており、体重の増加が治療効果に影響を与えることがあります。
また、注射後すぐに長時間の立ち仕事をしたり、膝に強い負荷がかかる動作を繰り返したりすると、効果を十分に実感しづらくなることがあります。注射を受ける日だけでなく、日常的な膝への負担を見直すことが、治療の効果を最大限に生かすポイントです。
ヒアルロン酸注射が効かないときに確認したいポイント
ヒアルロン酸注射の効果が感じられなくなったとき、すぐに別の治療に切り替える前にいくつか確認しておきたいことがあります。
膝の状態や治療の前提条件を整理することで、次のステップの判断がしやすくなるでしょう。
膝の痛みの原因が注射の適応範囲かを見極める
ヒアルロン酸注射が効果を発揮するのは、主に変形性膝関節症の初期〜中期で、関節内に痛みの原因があるケースです。重度の場合でも使用されることもありますが、効果は限定的になることが多いです。
膝の痛みには、半月板の損傷、靱帯の炎症、筋腱付着部の炎症など、関節の外側に原因があるものも含まれます。こうした痛みに対しては、ヒアルロン酸注射の効果が及びにくいため、そもそもの痛みの原因を正確に把握することが出発点になります。
変形性膝関節症と診断された方でも、痛みの部位や性質が変わってきた場合は、別の原因が重なっている可能性があります。例えば、歩き始めに強く痛むのか、階段の上り下りで違和感があるのかなど、日常生活での具体的な状況を整理しておくことが大切です。
画像検査の結果と現在の症状にズレがないか確認する
膝の痛みと画像所見は必ずしも一致しないことがあります。たとえば、レントゲンで「軽度の変形」と診断されていても、日常生活での違和感や痛みが強く感じられることがあります。逆に、画像上は変形が進んでいても、自覚症状が比較的少ない場合もあります。
変形性膝関節症では、軟骨の状態や靱帯、半月板の変化などはレントゲンだけでは十分に確認できないことがあります。このため、医師の判断により、必要に応じてMRI検査などを用いて膝の内部を詳しく評価することがあります。
以前の検査から時間が経っている場合は、現在の膝の状態を改めて画像で評価してもらうことで、治療方針を見直す材料が得られます。「前回と同じ治療を継続していいのか」を確認する意味でも、画像の更新は判断の助けになるでしょう。
日常生活で膝に負担をかける動作がないか確認する
膝の症状は、治療だけでなく日常生活での動作にも影響を受けることがあります。知らず知らずのうちに膝に負担がかかっている場合、治療による症状の改善が実感しにくくなることもあります。
例えば、正座や深くしゃがむ動作、階段の上り下り、重い荷物の持ち運びなどは膝に大きな負担をかけます。こうした動作を繰り返していると、注射で得られた一時的な痛みの緩和が持続しにくくなることがあります。
膝の痛みが強い時期には、膝への負荷をできるだけ減らす工夫が役立ちます。和式の生活様式を洋式に変える、手すりやエレベーターを積極的に活用する、外出時には杖を使うといった対策は、膝の負担を軽くする具体的な方法です。
こうした生活上の工夫は、治療の有無に関わらず膝の負担を軽減する手段として推奨されており、日常生活の快適さにもつながります。
ヒアルロン酸注射以外に検討できる膝の治療法
ヒアルロン酸注射で十分な効果が得られない場合、他の治療法を視野に入れて検討することになります。
保存療法から手術療法まで、選択肢は複数あります。どの治療が適しているかは膝の状態によって異なるため、ここでは主な治療法の概要を整理します。
運動療法や体重管理による膝への負担軽減
運動療法は、変形性膝関節症の治療において基本中の基本とされています。
日本整形外科学会の「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」でも、運動療法は推奨度の高い治療として位置づけられています。膝関節を支える太ももの筋肉(大腿四頭筋)を強化することで、膝にかかる負担が分散され、痛みの軽減につながるとされています。
具体的には、椅子に座った状態で膝を伸ばす筋力トレーニングや、水中でのウォーキングなど、膝への衝撃が少ない運動が推奨されています。
また、体重管理も見逃せない要素です。体重が増えると、歩行時などに膝関節へかかる力が大きくなるため、肥満は症状の進行を早める要因の一つです。食事と運動の両面から体重を適正範囲に保つことは、膝の治療効果を高めるうえで欠かせません。
ステロイド注射など薬物療法を併用して炎症を抑える
ヒアルロン酸注射とは別に、症状や炎症の程度に応じてステロイド注射や消炎鎮痛剤を用いた薬物療法が検討されることがあります。
ステロイド注射は、膝の腫れや強い痛みがある場合に炎症を抑える目的で用いられることがあります。比較的短期間の症状緩和が期待される一方で、使用回数や投与間隔については慎重な判断が必要とされています。そのため、継続的に頻回使用する治療というよりも、症状が強い時期に限定して検討されることが一般的です。
内服薬としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が痛みや炎症の緩和に用いられます。外用薬(湿布や塗り薬)と併用されることも多く、症状の程度に合わせて医師が処方を調整します。体質や持病の有無によっては注意が必要なこともあるため、自己判断での使用は避け、処方内容や用法を守ることが重要です。
再生医療(PRP療法・幹細胞治療)が選択肢の一つに
近年、保存療法と手術療法の中間的な選択肢として、再生医療が注目されています。
PRP(多血小板血漿)療法は、自分の血液から血小板を含む成分を抽出し、膝関節内に注入する治療法です。血小板に含まれる成長因子の作用により、関節内の炎症を抑え、組織の修復を促す効果が期待されています。ヒアルロン酸注射と比較して、効果の持続期間が長いとする研究報告もあります。
幹細胞治療は、自身の脂肪組織などから採取した幹細胞を培養し、膝関節に注入する治療です。損傷した軟骨の修復や再生が期待される分野ですが、現在も研究が進行中であり、治療効果については個人差があるとされています。
再生医療は2015年に施行された再生医療等安全性確保法のもとで実施されていますが、いずれも保険適用外の自由診療です。費用が高額になることや、治療の効果に関するエビデンスがまだ十分に蓄積されていない点には留意が必要でしょう。
手術(人工関節置換術・骨切り術)が検討される場合
保存療法で十分な痛みの改善が見込めない場合、手術療法が選択肢に入ります。
代表的な手術の一つが人工膝関節置換術です。損傷した関節の表面を金属やポリエチレンでできた人工関節に置き換える手術で、末期の変形性膝関節症に対して痛みの改善効果が大きいとされています。人工関節の耐用年数は平均15〜20年とされています。
もう一つの選択肢が骨切り術です。膝の骨の一部を切って角度を調整することで、体重のかかり方を矯正し、損傷していない部分に荷重を分散させる手術です。自分の関節を温存できるため、比較的若い方や活動量の多い方に適応されることが多い治療法です。
どちらの手術も入院やリハビリが必要となり、身体的・精神的な負担が伴います。手術を検討する際は、担当医と十分に話し合い、手術の目的や流れ、術後の生活について納得したうえで判断することが大切です。不安や疑問があれば、遠慮せず医師に相談することをおすすめします。
ヒアルロン酸注射を続けるか迷ったときの考え方
ヒアルロン酸注射を継続するか、あるいは他の治療法を検討するかは、膝の状態だけでなく、日常生活や治療に対する希望とも関わる判断です。
ここでは、判断を整理する際のポイントを紹介します。症状の変化や生活上の困りごとを具体的に確認することで、医師との話し合いがスムーズになり、より自分に合った治療方針を考える材料になります。
痛みや日常生活への影響をもとに判断する
ヒアルロン酸注射を続けるかどうかを考える際には、痛みの変化と日常生活への影響が重要な判断材料になります。
注射を受けた後に「歩くのが少し楽になった」「階段の上り下りが以前よりスムーズになった」といった変化があれば、現時点では治療の効果が得られていると考えてよいでしょう。
一方で、注射を続けても痛みがほとんど変わらない、あるいは日常動作への支障が増しているようであれば、治療の見直しを検討する時期かもしれません。
痛みの感じ方は主観的なものですが、「どの動作がつらいか」「どの程度歩けるか」「夜間に痛みで目が覚めるか」などを具体的に記録しておくと、医師との相談がスムーズになります。
治療の目的を整理して次の選択肢を考える
治療を続けるか迷ったときは、「何のために治療しているのか」を改めて整理してみてください。目標を明確にすることで、今の治療が自分に合っているかどうかを判断しやすくなります。
例えば、「旅行を楽しめるくらいに歩けるようになりたい」「日常生活の中で膝の痛みを気にせずに過ごしたい」「手術はできるだけ避けたい」など、人によって目標は異なります。その目標に対して、現在の治療がどの程度役立っているかを振り返ることで、次にとるべき行動が見えてきます。
選択肢としては、ヒアルロン酸注射を継続すること、運動療法や生活習慣の見直しを強化すること、再生医療や手術の検討などがあります。どれが正解というわけではなく、自分の症状や生活状況、目標に合わせて、医師と相談しながら最適な方法を選ぶことが大切です。
医療機関で相談する際に伝えておきたい内容
医師に相談する際は、以下のような情報を整理して伝えると、より的確な診断や提案につながります。
- いつ頃から痛みが出始めたか、悪化したか
- どの動作で痛みが強まるか(歩行、階段、しゃがみ込みなど)
- 現在受けている治療の内容と回数
- 注射後にどの程度の効果を感じていたか
- 日常生活でどの程度の支障があるか
- 治療に対する希望や不安(手術は避けたい、仕事への復帰時期など)
こうした情報は、治療方針を一緒に考えるための土台になります。「先生にお任せします」ではなく、ご自身の言葉で状況を伝えることで、より納得のいく治療を提案してもらえるでしょう。
セカンドオピニオンを求めることも一つの方法です。一人の医師の判断だけでなく、別の専門医の意見を聞くことで、新たな治療の選択肢が見つかることもあります。
