モートン病の初期症状とセルフチェックは?原因や治療法から予防まで詳しく解説

歩いていると足の指の付け根がジンジンする、靴を脱ぐと少し楽になる。そんな前足部の痛みやしびれが続くと、「これはモートン病ではないか」と気になり始める方は少なくありません。

インターネットで調べるほど、初期症状のことや自分でできるセルフチェック、原因、治療法、放置したときの経過まで、知りたいことが次々と出てくると思います。情報が多いぶん、かえって何から確かめればよいのか迷ってしまうこともあるはずです。

この記事では、モートン病の基本と初期症状、セルフチェックの目安を解説します。原因やなりやすい人、何科を受診するかに加え、保存療法から手術までの治療も整理しました。靴やインソールの選び方、放置したときの経過、似た病気との違いも順番に確認できます。ご自身の足の状態を整理する手がかりとして参考にしてください。

目次

モートン病とは足の指の付け根に起こる神経障害

モートン病とは足の指の付け根に起こる神経障害

モートン病は、足の指の付け根(前足部)を通る神経が圧迫されて、痛みやしびれが生じる神経障害です。特別に珍しい病気ではなく、足の使い方や靴の影響で起こりやすくなると考えられています。

モートン病は足の指の付け根を走る神経が圧迫されることで痛みやしびれが出る状態です。まずは、足のどこにどのような変化が起きているのかを知っておくと、その後の症状や治療の話が理解しやすくなります。

モートン病がモートン神経腫と呼ばれる理由

モートン病は「モートン神経腫」と呼ばれることがあります。これは、足の指へ向かう趾間神経(足の指の間を走る神経)が繰り返し刺激を受けて、神経の一部が太く腫れたようになるためです。

「神経腫」でも腫瘍(がん)ではない

モートン神経腫は、「神経腫」という名称でも、いわゆる腫瘍(がん)ではありません。あくまで神経が慢性的な刺激で肥厚した状態を指す呼び名であり、悪性のできものとは異なるとされています。「こぶができた」と不安になる方もいますが、外から大きなしこりとして見えることは多くありません。

モートン病が多いのは第3趾と第4趾のあいだ

モートン病が起こりやすいのは、足の第3趾(中指)と第4趾(薬指)のあいだと言われています。この部位は神経が合流して太くなりやすく、構造的に圧迫を受けやすいためと考えられています。

次いで第2趾と第3趾のあいだにも起こることがあります。片足だけに出る場合もあれば、両足に症状を感じる方もいて、出方には個人差があります。

参考:モートン病は神経の良性の腫大で第3-4趾間に多い|Cochrane

モートン病とは足の指の付け根に起こる神経障害

モートン病は難病ではなく足の指の神経が圧迫される病気

モートン病は指定難病ではない

「モートン病は難病では」と心配される方もいますが、国が定める指定難病には含まれていません。原因のひとつとして、足の神経への圧迫が関係すると考えられている障害です。

必要以上に重く受け止めすぎる必要はない一方で、放っておくと痛みが続きやすい傾向もあります。まずは正しく知り、次の項目から原因や症状を順に確認していきましょう。

参考:モートン病(日本整形外科学会)

モートン病の原因となりやすい人の特徴

モートン病の原因となりやすい人の特徴

モートン病は、前足部に負担が集中する状況が重なることで起こりやすくなると考えられています。原因はひとつとは限らず、靴・生活習慣・足の形などが組み合わさって影響するとされています。

原因やなりやすい人の特徴を先に整理すると、次のようになります。

原因・背景 どんな人・場面
ヒールや幅の狭い靴 つま先立ちに近い姿勢が続く/中腰の作業
立ち仕事・歩きすぎ 接客業や販売など一日中立つ/歩きすぎ・走りすぎ/急な体重増加
足の変形 扁平足・外反母趾・開帳足で横アーチが低下
年代・性別 中高年の女性に比較的多い(若い世代・男性にも起こり得る)

モートン病がヒールや幅の狭い靴で起こる仕組み

ハイヒールや幅の狭い靴は、つま先立ちに近い姿勢を長く続けさせ、足の指の付け根に体重を集中させます。つま先が締めつけられると、指の骨のあいだで神経が圧迫されやすくなります。

ヒールや幅の狭い靴でつま先立ちの姿勢が続くと、前足部の神経が圧迫されやすくなります。靴以外でも、中腰の作業など前足部に負担がかかる場面では、同じように圧迫が起こりやすいと言われています。

モートン病になりやすいのは立ち仕事や歩きすぎの人

長時間の立ち仕事や、歩きすぎ・走りすぎで前足部を酷使する人は、モートン病になりやすい傾向があるとされています。接客業や販売など、一日中立って過ごす方は前足部への負担が積み重なりやすいと考えられます。

体重が増えると足裏にかかる負荷も大きくなるため、急な体重増加が影響する場合もあります。

モートン病を招く扁平足や外反母趾など足の変形

扁平足や外反母趾、開帳足(足の横アーチが崩れて前足部が広がった状態)など、足の変形も関係すると考えられています。横アーチが低下すると、指の付け根に体重が集中しやすくなり、神経への圧迫が起こりやすくなります。

自分の足の形が原因のひとつになっている場合、靴やインソールで負担を分散させる工夫が役立つことがあります。

モートン病の原因となりやすい人の特徴

モートン病が起こりやすい年代と性別の傾向

モートン病は、中高年の女性に比較的多いと言われています。ハイヒールなど前足部に負担のかかる靴を履く機会が関係していると考えられています。

ただし、若い世代や男性に起こらないわけではありません。立ち仕事やスポーツの習慣など、生活の中で前足部を酷使する状況があれば、年代や性別を問わず起こり得ます。

モートン病の初期症状に多い痛みやしびれの特徴

モートン病の初期症状に多い痛みやしびれの特徴

モートン病の初期症状は、足の指の付け根に出る痛みやしびれが中心です。最初は「靴を履いたときだけ」「歩いたときだけ」と、限られた場面で感じることが多いとされています。靴を脱いで足を休めると、症状がいったん和らぐという方も少なくありません。

初期のうちに気づいて前足部の負担を減らせるかどうかが、その後の経過に関わると考えられています。次の項目から、痛む場所や感覚の特徴を順に見ていきましょう。

症状の特徴を整理すると、次のようになります。

症状 特徴
痛み 足裏側の第3趾と第4趾のあいだ。小石を踏んでいるような違和感
しびれ・灼熱感 ピリピリ・焼けるような感覚。指先までジンジン響くことも
強い症状 歩くのがつらい。痛みは荷重時が中心で、夜間の安静時は比較的稀

モートン病はどこが痛い?足の裏や指の付け根の感覚

痛みが出やすいのは、足の裏側の指の付け根、とくに第3趾と第4趾のあいだあたりです。歩くときに小石を踏んでいるような違和感や、靴の中で何かが当たるような感じを訴える方もいます。

足の甲側ではなく、体重がかかる足裏側に症状を感じやすいのがひとつの目安です。

モートン病の初期症状に多い痛みやしびれの特徴

モートン病のしびれやピリピリ焼けるような感覚

痛みだけでなく、しびれやピリピリとした感覚、焼けるような灼熱感を伴うことがあります。指先までジンジンと響くように感じる方もいます。

こうした症状は神経の圧迫によって起こると考えられ、感覚が鈍くなる場合もあります。

モートン病で歩けないほどの痛みや夜間の痛み

症状が強まると、歩くのがつらく感じたり、痛みで足をかばうようになったりすることがあります。一方で、モートン病の痛みは荷重時が中心で、夜間の安静時にズキズキ痛むことは比較的稀とされています。

夜間や安静時に強く痛むとき

もし夜間痛、つまり夜間や安静時にじっとしていても強い痛みが続く場合は、モートン病以外の原因も考えられます。自己判断で決めつけず、医療機関で相談することをおすすめします。

モートン病のセルフチェックの方法は?

モートン病のセルフチェックの方法は?

自分の症状がモートン病らしいかどうかを、受診前に整理しておくと相談がスムーズになります。ただし、セルフチェックはあくまで受診を考えるための目安であり、確定診断ではないことを前提にしてください。

モートン病のセルフチェックのやり方と徒手検査

次のような項目に心当たりがあるかを確認してみましょう。

セルフチェックで確認したい項目
  • 足の指の付け根(とくに第3趾と第4趾のあいだ)に痛みやしびれがある
  • 歩いたり靴を履いたりすると症状が強くなる
  • 靴を脱いで足を休めると症状が和らぐ
  • 小石を踏んでいるような違和感がある
  • 幅の狭い靴やヒールをよく履く

医療機関では、足の指の付け根を押したり、足を横から圧迫したりして症状が誘発されるかを確かめる徒手検査が行われることもあります。ただし、自分で強く押して確かめようとすると、かえって症状を悪化させかねません。無理に押し込まないよう注意しましょう。

モートン病のセルフチェックの方法は?

モートン病のセルフチェックで受診を考える目安

受診を考える目安

セルフチェックで複数の項目に当てはまるときは、その症状がどのくらい続いているかも確認しましょう。日常生活や仕事に支障が出ている場合も、受診を考える目安になります。

市販の対策を試しても改善しないときや、しびれが強くなってきたと感じるときも、早めに専門家へ相談したほうが安心です。セルフチェックはあくまで受診の目安であり、確定診断は医療機関の検査によるものと理解しておきましょう。

モートン病は何科を受診する?診断と検査の方法

モートン病は何科を受診する?診断と検査の方法

症状が続くときは、どの診療科に行けばよいか迷うところです。ここでは受診先の考え方と、医療機関で行われる診断や検査を整理します。

モートン病は整形外科へ?皮膚科でない理由

モートン病はまず整形外科(足の外科)へ

モートン病が疑われるときは、まず整形外科(足の外科)への受診が基本とされています。足の神経や骨、関節の状態を診るのは整形外科の領域だからです。

しびれや痛みを皮膚のトラブルと考えて皮膚科を選ぶ方もいますが、モートン病は皮膚ではなく神経の圧迫による症状です。足を専門に診る医療機関やペインクリニックが選択肢になる場合もあります。

モートン病の診断でMRIやエコー(超音波)からわかること

医療機関での診断は、問診と徒手検査を基本に行われます。必要に応じてエコー(超音波)やMRIを追加し、神経が腫れて太くなっている様子や、ほかの病気の可能性を確認します。

レントゲンは骨の状態を見る検査で、モートン病そのものより、疲労骨折など他の原因との区別に役立つことがあります。確定診断は、問診や徒手検査を基本に、必要に応じてMRIやエコーなど医療機関の検査を組み合わせて行われるため、セルフチェックで気になったら受診して確かめるのが確実です。

医療機関で行われる主な検査と、そこからわかることは次のとおり。

検査 主にわかること
問診・徒手検査 診断の基本。症状が誘発されるかを確認
エコー(超音波)・MRI 神経が腫れて太くなっている様子や、ほかの病気の可能性
レントゲン 骨の状態。疲労骨折など他の原因との区別に役立つ

参考:エコーとMRIはモートン病の診断精度が同程度|Eur Radiol

モートン病の治療・治し方は保存療法から手術まで

モートン病の治療・治し方は保存療法から手術まで

モートン病の治療は、まず体への負担が少ない保存療法から始め、改善が乏しい場合に段階的に次の選択肢を検討していくのが一般的な流れとされています。

保険適用について

保存療法や多くの手術は公的医療保険の対象となる一方、オーダーメイドの足底装具や再生医療など一部は保険の扱いが異なる場合があります。保険適用の範囲は治療内容や医療機関で変わるため、費用面は受診先に確認すると安心です。

治療の段階と主な内容を整理すると、次のようになります。

治療段階 主な内容
保存療法 靴の見直し・インソール/パッド、消炎鎮痛薬・湿布
注射・リハビリ ブロック注射など。足の指の運動やストレッチ
手術 神経周囲の処置や、腫れた神経の切除
体外衝撃波 患部に衝撃波を当てる非手術治療

モートン病のインソールや薬・湿布など保存療法での治し方

保存療法の中心は、前足部への負担を減らす工夫です。足に合った靴への見直しや、横アーチを支えるインソール・パッドの使用で、神経への圧迫を和らげることが期待できます。

痛みが強いときには、消炎鎮痛薬や湿布などが用いられることがあります。市販薬で対応する場合もありますが、症状が続くときは医師に相談したうえで使うのが望ましいでしょう。

モートン病のブロック注射やリハビリの治療

保存療法で十分な改善が得られないときには、痛みの強い部位への注射(ブロック注射など)が検討されることがあります。炎症や痛みを一時的に和らげる目的で行われる治療です。

参考:モートン病へのステロイド注射は痛みを和らげる|J Foot Ankle Res

あわせて、足の指を動かす運動やストレッチなどのリハビリ・運動療法で、足の機能を整えていく取り組みも行われます。

モートン病の手術や体外衝撃波が検討されるとき

保存療法や注射を続けても痛みが改善せず、日常生活への支障が残る場合には、手術が検討されることがあります。手術の方法には、圧迫されている神経の周囲を処置するものや、腫れた神経を切除するものがあるとされています。保険適用となる手術でも、手術費用は術式や入院の有無、医療機関によって異なります。事前に受診先へ確認しておくとよいでしょう。

参考:モートン病の手術は神経の剥離と切除がある|Acta Neurochir

一方、体外衝撃波治療は、患部に衝撃波を当てる治療で、手術とは異なる非手術治療のひとつです。手術と体外衝撃波は別の治療であり、いずれも保存療法で改善しないときに検討される選択肢という位置づけです。ただし、実施できるかどうかや検討する段階は、症状やこれまでの保存療法、医療機関の方針によって異なるため、医師と相談しながら判断していくことになります。

参考:モートン病に体外衝撃波が使われるが検証は途上|J Am Podiatr Med Assoc

モートン病の靴やインソールの選び方

モートン病の靴やインソールの選び方

日々履く靴やインソールを見直すことは、前足部の負担を減らし、症状の悪化を防ぎやすくするうえで役立つと考えられています。あくまで負担を軽くする工夫であり、これだけで予防や改善ができるとは限らない点は押さえておきましょう。

モートン病におすすめのスニーカーやパンプスの選び方

靴選びで意識したいのは、つま先にゆとりがあり、前足部を締めつけないことです。足の指が自然に広げられる幅と、クッション性のある靴底が目安になります。

スニーカーなら、足に合ったサイズでかかとが安定するものが選びやすいでしょう。パンプスを履く場面では、ヒールを低めにし、履く時間を短くするなどの工夫も負担軽減につながります。

靴の種類ごとの選び方の目安は、次のとおり。

靴の種類 選び方の目安
共通 つま先にゆとりがあり前足部を締めつけない/クッション性のある靴底
スニーカー 足に合ったサイズで、かかとが安定するもの
パンプス ヒールを低めにし、履く時間を短くする

モートン病のインソール・パッドやサポーターの使い方

前足部の負担を分散させる道具として、インソールやパッド、サポーターなどがあります。横アーチを支えるアーチパッドを、痛む部位の手前に当てるように使うと、神経への圧迫を和らげやすいとされています。

市販のインソールやパッドには、手に取りやすい価格帯のものから専門的なものまで幅があり、まず試してみる方も多いようです。足指を締めつけない5本指ソックスや、室内で前足部への衝撃をやわらげるクッション性のあるスリッパを取り入れる方もいます。市販品が合わないと感じる場合は、医療機関で足の形に合わせたオーダーメイドの足底装具を相談する方法もあります。いずれにしても、自分の足や症状に合ったものを選ぶことが大切です。

モートン病の靴やインソールの選び方

モートン病に自分でできるマッサージやストレッチ

モートン病に自分でできるマッサージやストレッチ

セルフケアは、前足部まわりの筋肉や組織をやわらげ、足への負担を減らす助けになると考えられています。ただし、やり方によっては症状を悪化させることもあるため、加減に気をつけることが大切です。

敏感になった神経そのものを強く押さない

とくに、腫れて敏感になった神経そのものを強く押したり揉んだりすると症状が悪化する場合があるため、患部を直接ぐいぐい圧迫する強いマッサージは避けましょう。痛みが強いときは無理をせず、医療機関に相談してください。

モートン病のマッサージやツボ押しのやり方

セルフケアとして行う場合は、痛む神経そのものではなく、その周囲の足裏やふくらはぎをやさしくほぐす程度にとどめます。足の指を軽く広げたり、足裏をゆっくりさすったりして血流を促すイメージです。

ツボ押しなども、強い刺激を一点に集中させないよう心がけ、痛みが増すようなら中止してください。

モートン病に自分でできるマッサージやストレッチ

モートン病のストレッチとテーピングのやり方

ストレッチでは、足の指を手で軽く反らせます。タオルを足指でたぐり寄せるタオルギャザーも、足まわりの柔軟性を保つ工夫のひとつです。ふくらはぎのストレッチも、足全体の負担軽減につながると考えられています。

テーピングで横アーチを軽く支えると、歩行時の前足部の広がりを抑えられる場合があります。巻き方に不安があるときは、医療機関や専門家に教わると安心です。

モートン病に自分でできるマッサージやストレッチ

モートン病は冷やす?温める?急性と慢性での使い分け

痛みが急に強くなって熱っぽさを感じるときは冷やす、慢性的なこわばりや血行不良を感じるときは温める、という声もあります。ただし、冷やす・温めるのどちらが適するかは、痛みの状態や原因によって異なります。

冷やす・温めるの使い分けの目安を整理すると、次のようになります。

症状の状態 目安
急に痛みが強くなって熱っぽさを感じるとき 冷やす
慢性的なこわばりや血行不良を感じるとき 温める

急性期は冷やし慢性期は温めるという使い分けはあくまで目安で、感じ方には個人差があります。自己判断で長時間続けず、症状が強いときは医師に相談してください。

温めるときは低温やけどに注意

温める際、湯たんぽなどを長時間直接当てると低温やけどにつながるおそれがあるため注意しましょう。

モートン病でやってはいけないこと

モートン病でやってはいけないこと

症状を長引かせないために、避けたい行動を知っておくことも大切です。よかれと思ってしたことが、かえって前足部の負担を増やしてしまう場合があります。

モートン病で避けたい行動を整理すると、次のようになります。

避けたい行動 理由・代わりの工夫
腫れた神経を強く刺激する 症状の悪化につながる
痛みを我慢して幅の狭い靴やヒールを履き続ける 前足部の負担が増える
前足部に強い衝撃が繰り返し加わる運動(ジョギング・ジャンプ) 痛みが強い時期は控え、ウォーキングなどに切り替える

モートン病を自分で治すときの注意点

自己判断だけで進めるのは注意

セルフケアで症状を軽くできる範囲はありますが、自己判断だけで進めるのは注意が必要です。前述のように腫れた神経を強く刺激することに加えて、痛みを我慢して幅の狭い靴やヒールを履き続けることも、症状の悪化につながります。

市販の対策を続けても改善しないときは、自分で抱え込まず、早めに医療機関へ相談しましょう。

モートン病で避けたい運動と再開の目安

前足部に強い衝撃が繰り返し加わるジョギングやジャンプの多い運動などは、痛みが強い時期には控えたほうがよいとされています。かかとや足全体で着地を意識できるウォーキングや、足に負担の少ない運動に切り替える方法もあります。

運動の再開は、痛みが落ち着き、日常の歩行で支障がなくなってから、少しずつ様子を見て進めるのが目安です。判断に迷うときは医師に相談してください。

モートン病でやってはいけないこと

モートン病を放置するとどうなる?治るまでの経過

モートン病を放置するとどうなる?治るまでの経過

痛みが軽いうちは、つい様子を見てしまいがちです。ここでは、改善までのおおよその経過と、放置したときに考えられる変化を整理します。

モートン病の完治までの期間の目安

モートン病は、原因となる負担を減らして保存療法を続けることで、症状が和らいでいくことが期待できます。ただし、症状が落ち着くまでの期間には個人差があり、長期にわたる場合もあります。

一律に「何日で治る」と言い切れるものではないため、焦らず経過を見ながら、負担を減らす工夫を続けることが大切です。

モートン病を放置すると悪化・再発しやすくなる経過

原因となる負担がかかり続けたまま放置すると、痛みやしびれが慢性化しやすくなる傾向があるとされています。神経への刺激が続くことで、症状を感じる場面が増えていく場合もあります。

ただし、放置すれば悪化すると決まっているわけでも、手術が避けられないわけでもなく、経過には個人差があります。それでも、症状が軽いうちに負担を見直すほうが改善につながりやすいと考えられます。一度痛みが落ち着いても、負担のかかる靴や生活に戻ると再発することがあります。

モートン病を放置するとどうなる?治るまでの経過

モートン病と外反母趾や足底筋膜炎などとの違い

モートン病と外反母趾や足底筋膜炎などとの違い

足の痛みを起こす病気はモートン病だけではありません。似た症状でも原因や対処が異なるため、他の病気との違いを知っておくと受診の際に役立ちます。

似た病気との痛む場所・特徴の違いを整理すると、次のようになります。

病気 痛む場所・特徴(モートン病との違い)
モートン病 第3趾と第4趾のあいだの足裏側にしびれ・痛み
外反母趾 親指が小指側に曲がり、親指の付け根が飛び出して痛む
中足骨頭痛(中足骨骨頭痛) 指の付け根の骨に体重が集中。押す・踏み込むときの痛みが中心
足底筋膜炎(足底腱膜炎) かかとから土踏まずの痛み。朝の歩き始めに出やすい
痛風 尿酸の結晶による炎症。親指の付け根が赤く腫れて激しく痛む
関節リウマチ 複数の関節に腫れ・痛み・こわばり。手など全身に及ぶことも
疲労骨折 繰り返しの負荷で骨に細かい傷。レントゲンなどで区別

モートン病と外反母趾や中足骨頭痛との違い

外反母趾は、足の親指が小指側に曲がり、付け根が飛び出して痛む変形です。痛む場所が親指の付け根である点が、第3趾と第4趾のあいだに症状が出やすいモートン病とは異なります。ただし、外反母趾や開帳足がモートン病の背景になることもあります。

中足骨頭痛(中足骨骨頭痛)は、足の指の付け根の骨(中足骨頭)に体重が集中して痛むものです。しびれよりも、押したときや踏み込んだときの痛みが中心になりやすい点が見分けの目安になります。

モートン病と足底筋膜炎(足底腱膜炎)や痛風との違い

足底筋膜炎(足底腱膜炎)は、足裏のかかとから土踏まずにかけての痛みが特徴で、とくに朝の歩き始めに痛みが出やすいとされています。前足部の指の付け根に症状が出るモートン病とは、痛む部位が異なります。

痛風は、尿酸の結晶が関節にたまって起こる炎症で、足の親指の付け根が赤く腫れて激しく痛むことが多いとされています。急な強い痛みや腫れ・熱感があるときは、痛風など他の原因も考えられます。

モートン病とリウマチや疲労骨折など似た病気との違い

関節リウマチは、複数の関節に腫れや痛み・こわばりが出る病気で、足だけでなく手など全身の関節に症状が及ぶことがあります。疲労骨折は、繰り返しの負荷で骨に細かい傷が生じるもので、レントゲンなどの検査で区別されます。

関節リウマチや疲労骨折は、モートン病とは原因も治療も異なります。また、足のしびれには坐骨神経痛など、腰や神経の病気が関係する場合もあります。自己判断が難しいと感じるときは、整形外科などの医療機関で検査を受けて原因を確かめることが大切です。

モートン病が保存療法で改善しないときの受診と当院の治療

モートン病が保存療法で改善しないときの受診と当院の治療

セルフケアや市販の対策を試しても症状が続くときは、専門的な検査と治療を受けられる医療機関への相談が次の一歩になります。

モートン病で専門医や病院を探すときの目安

受診先を探すときは、足の疾患を扱う整形外科や足の外科、痛みの治療に取り組むクリニックなどが目安になります。これまでの症状の経過や、どんな靴で悪化するか、どの治療をどのくらい試したかを整理して伝えると、診察がスムーズです。

モートン病に対する当院の保存的治療と再生医療の相談

当院(Clinic Le GINZA)では、まず靴やインソールの見直し・薬・リハビリといった保存的治療を基本に、症状や生活への影響を確認しながら治療方針を一緒に検討しています。

保存療法を続けても改善が乏しい場合の選択肢のひとつとして、PRP療法幹細胞治療などの再生医療のご相談も承っています。再生医療は体の組織の修復をめざす治療ですが、モートン病に対する適応や期待できる効果、根拠には限界があり、その点は医師が個別にご説明します。

再生医療について知っておきたいこと

再生医療は自由診療(保険適用外)で効果には個人差があり、標準治療である保存療法や手術に置き換わるものではありません。あくまで、まず保存療法を行い、改善しないときに検討する選択肢のひとつという位置づけで、費用も含めて症状を確認したうえで医師がご説明します。気になる症状が続くときは、一人で抱え込まず、まずはご相談ください。

参考:再生医療について(厚生労働省)

モートン病が保存療法で改善しないときの受診と当院の治療

モートン病についてよくある質問

モートン病についてよくある質問

最後に、モートン病について寄せられることの多い疑問を整理します。

モートン病は何人に1人がなる?発症率や男女比

モートン病の発症率について、何人に1人といった広く合意された一律の数値は、今のところ示されていないのが実情です。男女比についても具体的な数字を挙げるのは難しいものの、女性にやや多い傾向があるとされています。

「女性の病気」というわけではなく、男性が発症することもあります。発症のしやすさは性別そのものより、日々の靴や足の使い方といった生活の要因が関わると考えられています。

モートン病の妊娠中や産後の痛みへの対処

妊娠中や産後は、体重や姿勢、活動量の変化などから足に負担がかかりやすい時期です。前足部の痛みを感じたときは、まず足に合った靴やインソールで負担を減らす工夫が基本になります。

この時期は使える薬や検査に配慮が必要な場合があるため、痛みが強いときや続くときは、自己判断せず、かかりつけの医療機関や整形外科に相談してください。