膝の裏が痛いと、「曲げ伸ばしのたびに違和感がある」「歩くと突っ張る」「じっとしていてもズキズキする」と、不安や疑問が次々に浮かんでくるものです。ご自身のことだけでなく、親御さんやご家族の膝を心配して調べている方もいらっしゃるかもしれません。
膝の裏は、医学的には膝窩(しっか)と呼ばれる部分です。太ももやふくらはぎの筋肉や腱・血管・神経・リンパ節が集まる場所で、脚のさまざまな組織が行き交うところです。そのぶん、痛みの原因も筋肉の疲れから関節の病気・血管のトラブルまで幅広くなります。「どこが」「どんなときに」「どんなふうに」痛むのかによって、考えられる原因が変わってきます。
膝の裏が痛い原因の多くは、筋肉や腱の使いすぎといった比較的軽いものです。一方で、中にはすぐに受診したほうがよい血管の病気が隠れていることもあり、痛みの背景を一律に判断することはできません。だからこそ、自分の膝の状態を痛む場所や症状・痛み方から順に整理していくことが、原因を見極める近道になります。
この記事では、膝の裏が痛い原因を、痛む場所や状況・曲げ伸ばしなどの症状・痛み方の違いから整理していきます。そのうえで、関節や神経の病気・筋腱の痛み・見逃したくない危険な原因・年齢や性別による違い・対処法・受診の目安までを順番にまとめました。ご自身やご家族の膝と向き合うための参考にしてください。
膝の裏が痛いのはなぜ?痛む場所や状況から原因をチェック

膝の裏が痛いといっても、痛む場所や痛くなったタイミングによって、考えられる背景はさまざまです。膝の裏が痛い原因は、多くが筋肉や腱の疲れによるものですが、中には関節の病気や血管のトラブルが隠れていることもあります。 まずは、自分の痛みが「どこで」「いつから」始まったのかを手がかりに、大まかな見当をつけていきましょう。
膝の裏には、ふくらはぎや太ももの裏側の筋肉・腱・血管・神経が集まっています。同じ「膝裏の痛み」でも、外側寄りなのか内側寄りなのか、片方だけなのか、急に始まったのかによって、疑われる原因が違ってきます。この章では場所と状況から全体像をつかみ、くわしい鑑別は次章以降で見ていきます。
膝裏の外側や内側が痛いときの原因
膝裏の痛みは、痛む位置によってかかわる組織が異なります。膝裏の外側が痛い場合は、太もも裏の外側にあるハムストリングスの一部や、ふくらはぎの外側の筋肉・腱が関係していることがあります。内側が痛い場合は、内側のハムストリングスや半月板の内側、鵞足(がそく)と呼ばれる腱の付着部が関わることがあります。
膝裏の真ん中や少し下・ふくらはぎの上のあたりが痛むときは、膝の奥にある膝窩筋(しっかきん)や、ふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)の付け根が原因になることも少なくありません。付け根や横が痛む場合も含め、痛む場所は原因を絞る手がかりにはなりますが、それだけで病気を特定できるわけではありません。位置はあくまで目安として、症状や痛み方とあわせて確認していきましょう。

片方だけ膝の裏が痛い原因
膝の裏が片方だけ痛い場合、右足・左足のどちらであっても、その側の膝や脚に負担が偏っていることがよくあります。使い方のくせや立ち方・過去のけがの影響で、片側の筋肉や腱に疲労がたまり、痛みとして現れるパターンです。
一方で、両足ではなく片足だけに、急な腫れや強い痛みが出ている場合には注意が必要です。片脚だけがむくんで痛む・ふくらはぎまで張って熱っぽいといった症状は、後の章でくわしく触れる血管の病気のサインであることがあります。左右差の大きい急な症状は、様子見せず原因を確かめることが大切です。
急に膝の裏が痛くなったときに考えられる原因
昨日まで何ともなかったのに、いきなり膝の裏が痛くなった――そんな急な発症のときは、直前の動作や生活の変化を振り返ってみましょう。久しぶりの運動や長時間の歩行・転倒など、膝裏の筋肉や腱に急な負担がかかったことが引き金になっているケースが多く見られます。ふだんあまり体を動かしていない状態で急に動いたときや、疲れがたまっているときにも起こりやすくなります。
反対に、はっきりしたきっかけがないのに突然強く痛む・時々ズキッとする状態が続くときは、関節や血管の内側で変化が起きている可能性もあります。数日から1週間、あるいは1ヶ月と痛みが引かない場合や、だんだん強くなる場合は、自己判断で放置せず原因を調べることをおすすめします。
曲げ伸ばしなど症状別にみる膝の裏が痛い原因

膝を動かしたときにどんな動作で痛むかは、原因を絞り込む大きな手がかりになります。膝の裏が痛いのは、伸ばすとき・曲げるとき・歩くときなど、どの動作で痛むかによって、疑われる原因が変わってきます。 ここでは代表的な動作ごとに、考えられる原因を確認します。
膝の曲げ伸ばしには、太ももやふくらはぎの筋肉・腱、そして膝関節の内部の構造が複雑にかかわっています。次の対応表を、自分の痛みがどの動作で強くなるかを確認する目安にしてください。
| 痛みが出る動作 | 考えられる主な原因の傾向 |
|---|---|
| 伸ばすと痛い | ハムストリングスや腓腹筋の張り・膝裏の腱や関節の炎症 |
| 曲げると痛い | ベーカー嚢腫による圧迫・半月板や軟骨の傷み |
| 歩くと痛い | 筋腱の使いすぎ・変形性の変化・荷重による負担 |
| 正座やしゃがみで痛い | 深い屈曲による関節や腱への圧迫 |
膝の裏を伸ばすと痛い原因
膝を伸ばすと膝裏が痛い・伸ばしきれない・つっぱって伸びないという場合、太もも裏のハムストリングスやふくらはぎの腓腹筋が硬くなっていることがよくあります。これらの筋肉は膝を伸ばす動作で引き伸ばされるため、硬くこわばっていると、張りや痛みを感じやすくなります。
デスクワークや立ち仕事で長時間同じ姿勢が続いたり、運動前後のストレッチが不足したりすると、筋肉の柔軟性が下がって伸展時の痛みが出やすくなります。ただし、膝がしっかり伸びきらない・引っかかる感じがともなうときは、関節内の半月板の傷みや、水がたまっている可能性も考えられます。単なる張りと決めつけず、症状が続くようなら確認しておきましょう。
膝の裏を曲げると痛い原因
膝を曲げると膝裏が痛い・深く曲がらない・屈伸でつらいという場合、膝裏にできる袋状のふくらみであるベーカー嚢腫が、曲げる動作で圧迫されて痛みや突っ張りを起こしていることがあります。また、膝のクッションである半月板が傷んでいると、曲げたときに関節内で引っかかりや痛みが生じることもあります。
正座やしゃがみ込みのように深く曲げる姿勢で痛みが強くなるのは、膝裏の組織や関節が強く押し合わされるためです。曲げると痛いだけでなく、膝が引っかかって動かせなくなるロッキングという症状が出る場合は、半月板の問題が疑われます。無理に曲げ伸ばしを繰り返さず、痛みの出ない範囲にとどめて受診の目安にしましょう。
歩くと膝の裏が痛い原因は歩きすぎ?
歩くと膝の裏が痛い・長時間歩くとつらい・立ち上がるときに痛むといった症状は、歩きすぎによる筋腱の疲労が原因になっていることが多いものです。ふだんより長く歩いた日や、立ちっぱなし・立ち仕事が続いたときに、膝裏の筋肉や腱に負担が集中して炎症を起こすと、荷重時に痛みを感じます。
一方で、歩くたびに痛む状態が長く続く場合は、加齢による変形性の変化や、膝を支える筋力の低下が背景にあることもあります。とくに階段の下りや下り坂・山登りで痛みが強くなるときは、膝への負担のかかり方に特徴があります。階段の上り下りで膝が痛む場合の対策は、階段で膝が痛くて登れないときの対処もあわせて参考にしてください。痛みで歩けないほど強い場合は、無理をせず整形外科で相談しましょう。
膝の裏が痛くて正座できないときの原因
膝の裏が痛くて正座できない・あぐらがつらい・しゃがめないという場合、膝を深く曲げる姿勢で膝裏の組織が圧迫されていることが考えられます。長座や長座体前屈で膝裏が突っ張って痛むときも、ハムストリングスや腓腹筋の柔軟性の低下が関係することがあります。
正座は膝を最も深く折りたたむ姿勢のため、ベーカー嚢腫や半月板の傷み・関節内の炎症があると、曲げる動作全般の中でもとりわけ痛みが出やすくなります。以前は問題なくできていた正座が急にできなくなった・曲げると強い痛みや引っかかりがあるといった変化は、膝の内部からのサインかもしれません。痛みを我慢して無理に曲げることは避け、症状が続くようなら状態を確認してもらいましょう。
痛み方の違いで考えられる膝の裏が痛い原因

膝裏の痛みは、「どんな痛み方か」によっても原因の見当をつけられます。膝の裏が痛いときの感覚は、ピキッとした鋭い痛み・コリコリした違和感・突っ張るような痛みなど、痛み方によって関係する組織が異なります。 自分の痛みがどのタイプに近いか、照らし合わせてみましょう。
痛みの質感は感じ方に個人差が大きく、言葉での表現もさまざまです。次の一覧は、痛み方から原因を考えるためのおおまかな対応の目安です。
| 痛み方の感覚 | 関係しやすい組織や状態 |
|---|---|
| ピキッ・パキッと鋭い | 筋肉や腱の急な負担・軽い肉離れ |
| コリコリ・ゴリゴリする | 腱やすじのこわばり・関節のこすれ |
| 突っ張る・つる | 筋肉の疲労や柔軟性の低下・脱水 |
| 痺れるようにジンジンする | 神経の圧迫や放散痛 |
膝裏がピキッ・パキッと痛む原因
膝裏を動かしたときにピキッ・パキッと鋭い痛みが走る場合、太ももやふくらはぎの筋肉・腱に急な負担がかかったことが考えられます。とくに、急に立ち上がったり、運動中に強く踏み込んだりした瞬間に起こりやすく、軽い肉離れのように筋線維が傷ついているケースもあります。
こうした鋭い痛みは、一時的なもので、安静にすると和らいでいくことが少なくありません。ただし、痛みが強くて体重をかけられない・その後も腫れや強い痛みが続く場合は、筋や腱の損傷が大きい可能性があります。冷やして安静にしても改善しないときは、無理に動かさず整形外科で確認しましょう。
膝裏がコリコリ・ゴリゴリと痛い原因
膝裏を押したり動かしたりするとコリコリ・ゴリゴリとした感触や痛みがある場合、腱やすじがこわばっていたり、関節周囲の組織がこすれ合っていたりすることが関係します。長時間の同じ姿勢や運動不足で筋肉や腱が硬くなると、動かしたときにこうした違和感が出やすくなります。
多くは筋腱のこわばりによるものですが、膝裏にしこりのようなふくらみを触れる場合は、ベーカー嚢腫など別の原因が隠れていることもあります。コリコリする部分が大きくなってきた・押すと強く痛む・膨らみを感じるといった変化があるときは、自己判断で強く揉まず、状態を確認してもらうと安心です。
膝裏が突っ張る・つるときの痛みの原因
膝裏が突っ張る・張る・つる・固まる感じがするときは、太もも裏やふくらはぎの筋肉の疲労や柔軟性の低下が主な原因です。このとき、突っ張りとあわせて「つる」感覚が出るかどうかも、原因を考える手がかりになります。ポキポキと音が鳴るのも、腱や関節周囲の動きによるもので、痛みをともなわなければ過度に心配しなくてよい場合が多いものです。
膝裏がつる(こむら返りに近い状態)のは、筋肉の疲労に加えて、水分やミネラルの不足・冷え・血行不良が関係することがあります。運動後や就寝中に起こりやすく、こまめな水分補給やストレッチ・保温である程度予防できます。ただし、頻繁に強くつる・むくみをともなうといった場合は、血流の問題が背景にあることもあるため、続くようなら相談しておきましょう。
膝の裏が痺れるように痛い原因
膝の裏が痺れるように痛い・ジンジン・ビリビリ・チクチクするといった感覚は、筋肉や腱よりも神経が関係している可能性があります。腰から脚へ伸びる神経が圧迫されると、その経路に沿って膝裏やふくらはぎに放散痛やしびれが出ることがあります。ズキズキした鈍痛や違和感として感じられることもあります。
とくに、痺れとあわせて脚に力が入らない・力が抜ける感じがある場合は、神経の障害を示すサインのことがあり、注意が必要です。しびれが強い・広がる・長引くときや、腰痛をともなうときは、神経由来の痛みを見極める必要があります。膝だけでなく脚全体のしびれが気になる場合は、足のしびれで歩きにくいときの原因と対処もあわせて参考にしてください。
膝の裏が痛いときに考えられる関節や神経の病気

痛み方や動作で見当をつけたら、次は具体的な病気の可能性を確認しておきましょう。膝の裏が痛い原因には、ベーカー嚢腫や半月板損傷・変形性膝関節症といった関節の病気や、神経が関係する痛みが含まれます。 ここでは代表的な病気を取り上げ、それぞれの特徴を整理します。
これらの病気は、自己判断で見分けるのが難しいものも多く、複数の要因が重なることもあります。あくまで「こうした病気がある」という知識として押さえ、当てはまりそうなときは受診の判断材料にしてください。
膝の裏がぽっこり腫れて痛むベーカー嚢腫(膝窩嚢胞)
ベーカー嚢腫(膝窩嚢胞)は、膝裏に関節液がたまって袋状のふくらみができる状態です。膝の関節内で炎症が起こると関節液が増え、その一部が膝裏側に押し出されてぽっこりとした膨らみになります。膝を曲げると圧迫感や突っ張り・鈍い痛みを感じ、大きくなると膝裏の神経や血管を圧迫して不快感が増すことがあります。
背景には、変形性膝関節症や半月板損傷など、関節の炎症を起こす別の原因が隠れていることが少なくありません。膝裏の柔らかいしこりとして触れることが多いものの、似たようなふくらみにガングリオンなどの別の腫瘤が含まれることもあります。急に大きくなった・強い痛みや腫れをともなう場合は、自己判断で潰そうとせず、超音波検査などで確認してもらいましょう。

膝裏に痛みが出る半月板損傷や変形性膝関節症
半月板は膝関節のクッションの役割を果たす組織で、傷つくと曲げ伸ばしのときに痛みや引っかかりが生じます。とくに膝の後方にある部分が傷むと、膝裏に痛みを感じることがあります。半月板の傷みについては、半月板損傷を早く治すための考え方もあわせて参考にしてください。
変形性膝関節症は、加齢などで関節の軟骨がすり減り、炎症や変形が進む病気です。膝の内側や前側の痛みが代表的ですが、炎症が強いと膝裏の張りや痛み・こわばりとして現れることもあります。中高年に多く、進行のしかたには個人差があります。膝裏の痛みとあわせて膝全体のこわばりや変形が気になる場合は、変形性膝関節症でしてはいけないことも参考に、早めに状態を確認しておくとよいでしょう。
リウマチや痛風による膝の裏の痛み
関節リウマチや痛風は、膝の裏に限らず関節に炎症を起こす全身の病気です。関節リウマチは、免疫の異常によって複数の関節に炎症が起こる病気で、手指などの小さな関節から始まることが多い一方、膝に症状が出ると腫れや痛み・朝のこわばりとして現れます。左右両方の関節に症状が出やすいのも特徴です。
痛風は、尿酸が結晶となって関節にたまり、急に強い痛みと腫れ・赤みを起こす病気です。足の親指の付け根に起こることで知られますが、膝の関節に起こることもあります。これらは「関節に症状が出る全身の病気」という位置づけで、膝裏の痛みが全身疾患の一部として現れることがあると知っておくと、原因を見落としにくくなります。急な強い腫れや発熱をともなう関節の痛みは、早めに受診して原因を調べましょう。
坐骨神経痛や靭帯損傷による膝裏の痛み
膝の裏の痛みが、実は膝そのものではなく、腰や神経から来ていることもあります。坐骨神経痛は、腰から脚に伸びる坐骨神経が圧迫されて、お尻から太もも裏・膝裏・ふくらはぎにかけて痛みやしびれが放散する状態です。背景には椎間板ヘルニアや脊柱管の狭まりがあることがあり、膝裏だけをケアしても改善しにくいのが特徴です。腰由来の痛みが疑われるときは、坐骨神経痛でやってはいけないことや椎間板ヘルニアでやってはいけないこともあわせて参考にしてください。
靭帯損傷は、スポーツや転倒などで膝の靭帯が傷つくもので、前十字靭帯や後十字靭帯の損傷では、膝の不安定感や痛みとともに膝裏に症状が出ることがあります。靭帯の手術後に膝裏の突っ張りや痛みが残ることもあります。股関節や腰・骨や軟骨の状態が関係している場合もあるため、痛みが長引くときは膝だけでなく脚全体を診てもらうことが大切です。
膝の裏の筋や腱が痛いときの原因

膝裏の痛みで最も多いのが、筋肉や腱に由来する痛みです。膝の裏が痛い原因の多くは、膝窩筋やハムストリングス・腓腹筋といった筋肉や腱の使いすぎや炎症によるものです。 ここでは、筋腱性の痛みについて、関係する組織ごとに整理します。
筋腱性の痛みは、休養やストレッチで和らぐことが多い一方、無理を続けると長引くこともあります。どの筋肉や腱が関わっているのかを知ると、対処やセルフケアの見通しが立てやすくなります。

膝窩筋炎による膝の裏の痛み
膝窩筋(しっかきん)は、膝の裏側の奥にある小さな筋肉で、膝を曲げ始めるときや、膝の回旋を安定させる役割を担っています。この膝窩筋に負担がかかって炎症を起こした状態が膝窩筋炎で、膝裏の奥のほうに痛みを感じるのが特徴です。
坂道や階段の下り・長距離のランニング・急な方向転換などで膝窩筋に負担が集中すると、炎症を起こしやすくなります。膝を深く曲げたときや、体重をかけたときに膝裏の奥が痛む場合に疑われます。安静とアイシング・負担の軽減で和らいでいくことが多いものの、痛みが強く長引くときは、ほかの原因との見分けのためにも整形外科で確認するとよいでしょう。
ハムストリングスや腓腹筋が原因の膝裏の痛み
ハムストリングスは太ももの裏側の筋肉群(大腿二頭筋など)で、腓腹筋(ひふくきん)はふくらはぎの筋肉です。どちらも膝裏をまたいで走っているため、これらが硬くなったり傷ついたりすると、膝裏や太もも裏・ふくらはぎの上のあたりに痛みが出ます。運動後の筋肉痛のような張りとして感じられることもあります。
とくに、久しぶりの運動やウォーミングアップ不足のときに、これらの筋肉に急な負担がかかると、張りや軽い肉離れを起こすことがあります。日常的にデスクワークが多く筋肉が硬い人も、膝裏の突っ張りを感じやすくなります。ふだんからのストレッチや、運動前後のケアで柔軟性を保つことが、こうした痛みの予防に役立ちます。
ランニングやスポーツの後に膝の裏が痛くなる原因
ランニングやジョギング・ウォーキングのあとに膝の裏が痛くなるのは、繰り返しの動作で膝裏の筋肉や腱に疲労がたまることが主な原因です。サッカーやバスケ・テニス・ゴルフ・野球など、走る・跳ぶ・ひねる動作が多いスポーツでも、膝裏に負担が集中しやすくなります。走った後や運動後に痛みが出て、休むと和らぐ場合は、使いすぎによる筋腱性の痛みが考えられます。
痛みを我慢して運動を続けると、炎症が長引いたり、傷みが大きくなったりすることがあります。運動量を一度減らし、ストレッチやアイシングで様子を見ることが基本です。フォームや練習量の見直しも予防につながりますが、痛みが強い・腫れをともなう・休んでも改善しないときは、無理に競技へ復帰せず状態を確認しましょう。
前屈や柔軟体操で膝裏が痛いときの原因
前屈や長座体前屈・柔軟体操で膝裏が痛いのは、太もも裏のハムストリングスやふくらはぎの筋肉が硬く、伸ばされたときに強い張りを感じるためです。もともと体が硬い人や、ウォーミングアップなしで急に深く前屈した場合に起こりやすくなります。
レッグカールやフォームローラー(筋膜ローラー)を使ったケアの最中に膝裏が痛む場合も、圧のかけすぎや、硬くなった組織を急に刺激したことが関係することがあります。もともと硬い筋肉を、強い痛みが出るまで無理に伸ばすと、かえって筋や腱を傷めることがあります。具体的なストレッチのやり方は後の章でも触れますが、いずれの場合も痛みの手前でとどめることが大切です。
見逃したくない膝の裏の痛みの原因

膝裏の痛みのほとんどは筋腱性のものですが、中には放置せず受診したほうがよい原因もあります。膝の裏の痛みの中でも、片脚の急な腫れや強い痛み・赤みや熱感をともなうものは、血管や感染にかかわる見逃したくないサインのことがあります。 この章では、緊急度の高いものから順に、注意したい原因を整理します。
ここで大切なのは、緊急度の濃淡を知っておくことです。血栓や感染・腫瘍が疑われるものは早急な受診が望ましく、静脈瘤やむくみは早めの受診で落ち着いて対処してよいものが多いといえます。過度に怖がる必要はありませんが、当てはまるサインがあれば先延ばしにしないことが大切です。

深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)による膝裏の痛み
深部静脈血栓症は、脚の深い部分の静脈に血の塊(血栓)ができる病気で、長時間同じ姿勢が続いたときに起こりやすいことからエコノミークラス症候群とも呼ばれます。片方のふくらはぎや膝裏が急に腫れて痛む・熱っぽい・皮膚が赤みや紫がかった色になるといった、片脚に偏った症状が特徴です。
- 片脚だけが急にむくんで、膝裏やふくらはぎに痛みが出る
- 患部に熱感や赤み・皮膚の色の変化がある
- 胸の痛みや息苦しさ・急な失神をともなう
長時間の移動が代表的なきっかけです。それ以外にも、手術後や長期の寝たきり・妊娠中や産後・ピルの服用など、血液が固まりやすい状態が背景になることがあります。とくに注意したいのは、血栓が血流に乗って肺に詰まる肺血栓塞栓症です。片脚の腫れや痛みに続いて胸の痛み・息苦しさ・失神が起きた場合は、命にかかわることがあるため、ためらわず救急の受診を検討してください。
膝裏の血管が浮き出て痛い下肢静脈瘤
下肢静脈瘤は、脚の静脈の弁がうまく働かなくなり、血液が逆流してたまることで、血管がぼこぼこと浮き出たり、脚のだるさ・むくみ・つりを起こしたりする病気です。膝裏やふくらはぎに血管が浮き出て見える・夕方になると脚が重だるいといった症状が特徴です。
深部静脈血栓症のような急を要する病気とは異なり、下肢静脈瘤は比較的ゆっくり進む病気で、早めの受診で落ち着いて対処してよいことが多いものです。ただし、放置すると症状が進んで皮膚のトラブルにつながることもあります。立ち仕事の多い人や妊娠・出産を経た人に多く見られます。血管の浮き出しやだるさが気になる場合は、血管を扱う診療科で相談するとよいでしょう。
膝裏のリンパの痛みやむくみが出るときの原因
膝裏にはリンパ節があり、リンパの流れが滞るとむくみやだるさ・重い感じをともなうことがあります。インターネットでは「老廃物が詰まっている」といった表現も見かけますが、リンパの滞りは体質や姿勢・運動不足などさまざまな要因で起こるもので、俗説的な説明をそのまま鵜呑みにする必要はありません。多くは深刻なものではなく、軽い症状であれば生活の工夫で和らぐこともあります。
一方で、片脚だけが持続的に大きくむくむリンパ浮腫や、感染をともなうむくみは、医療機関での対応が必要になります。とくに、急に強くむくんで痛む・熱をもつといった場合は、後述する感染や血栓との見分けが大切です。むくみが続く・左右差が大きい・痛みをともなうときは、自己流のマッサージで済ませず、早めに相談しておくと安心です。
膝の裏の腫れや熱を伴う痛みの原因
膝裏の腫れや、しこり・こぶ・膨らみに加えて、熱や赤み・熱感をともなう痛みがあるときは、注意が必要です。皮膚や皮下組織に細菌が入って炎症を起こす蜂窩織炎(ほうかしきえん)では、赤み・熱感・腫れ・痛みが広がり、発熱をともなうこともあります。こうした感染が疑われる症状は、早急な受診が望まれます。
- 赤み・熱感・発熱をともなう腫れ → 感染の疑い。早急に受診
- 硬い・だんだん大きくなるしこり → 腫瘍などの可能性。早めに精査を
- 柔らかく熱のないふくらみ → ベーカー嚢腫などの可能性。落ち着いて受診を
なお、微熱や寒気・だるさをともなう場合でも、インフルエンザや熱中症・脱水など、発熱が先にある全身の体調不良では、膝裏の痛みはそれに付随した症状であることもあります。膝裏の腫れそのものが原因なのか、全身の状態からくるものなのかは見分けが難しいため、腫れや熱が続くときは自己判断せず、医療機関で確認しましょう。膝に水がたまって腫れている場合の考え方は、膝に水がたまる原因と対処もあわせて参考にしてください。
年齢や性別で異なる膝の裏が痛い原因

膝の裏が痛い原因は、年齢や性別によって多いものが変わります。膝の裏が痛い原因は、女性・子供・高齢者といった属性によって、なりやすい背景が異なります。 自分や家族の状況に近いところを確認してみましょう。
同じ膝裏の痛みでも、成長期の子供と中高年とでは考えられる原因が違います。属性ごとの傾向を知っておくと、原因の見当をつけたり、受診の判断をしたりするときの参考になります。
女性に多い膝の裏が痛い原因
女性では、生理前や妊娠期・更年期など、ホルモンの変化にともなうむくみやだるさが膝裏の重さや痛みとして感じられることがあります。妊娠中は体重の増加や姿勢の変化で膝への負担が増えやすく、両脚に軽いむくみが出るのは比較的よく見られることです。こうした生理的なむくみは、両側にゆるやかに出るのが一般的です。
妊娠中や産後・ピルの服用中は、血液が固まりやすくなり、深部静脈血栓症のリスクが高まることがあります。片方の脚だけが急にむくんで痛む・熱っぽいといった症状は、リンパの滞りと自己判断せず、前章の深部静脈血栓症を念頭に早めに受診してください。
両脚のゆるやかなむくみやだるさであれば、生活の工夫で様子を見てよいことが多い一方、左右差の大きい急な腫れや痛みは注意が必要です。気になる症状があるときは、時期や体調の変化とあわせて医師に伝えると、原因の見極めに役立ちます。
子供の膝の裏が痛いのは成長痛?
子供が膝の裏を痛がるとき、まず思い浮かぶのが成長痛かもしれません。成長痛は、幼児から小学生くらいの子供に見られる、はっきりした原因のない一時的な脚の痛みで、夕方から夜にかけて痛がり、朝には元気になっているのが典型的です。膝の周りや脚全体を痛がることが多く、しばらくすると自然に落ち着いていきます。
ただし、すべての子供の膝裏の痛みが成長痛とは限りません。中学生や高校生ではスポーツによる膝の負担、10代では半月板や靭帯のけがなどが原因になることもあります。とくに、朝から強く痛がる・膝が腫れている・熱をともなう・片方だけを痛がって歩き方がおかしいといった場合は、成長痛と決めつけず、小児科や整形外科で確認しましょう。
高齢者に多い膝の裏の痛みの原因
高齢者では、加齢にともなう軟骨のすり減りや、膝を支える筋力の低下が、膝裏の痛みの背景になりやすくなります。長年の膝の使用で関節に負担が蓄積し、変形性膝関節症などの変化が膝裏のこわばりや痛みとして現れることがあります。体重が多い・太りすぎの傾向があると、膝にかかる負担がさらに増えます。
また、加齢によって血管やリンパの働きが変化し、むくみやだるさを感じやすくなることもあります。高齢の方は、痛みを「年のせい」と我慢して受診が遅れがちですが、片脚の急な腫れや強い痛みは血管の病気のこともあります。日常生活に支障が出るほどの痛みや、急な変化があるときは、家族も気にかけて早めの受診を促すことが大切です。
膝の裏が痛いときの対処法

原因の見当がついたら、日常でできる対処法も知っておきましょう。膝の裏が痛いときの対処は、ストレッチやサポーター・湿布などで負担をやわらげつつ、痛みが続くときは無理をしないことが基本です。 ここでは、自分でできるケアと、その注意点をまとめます。
対処法は、あくまで筋腱性の軽い痛みをやわらげるための補助です。強い痛みや腫れ・しびれをともなうときは、セルフケアだけで対応しようとせず、原因に応じた受診を優先してください。
膝の裏が痛いときのストレッチ
膝裏の痛みが筋肉や腱の張りによるものなら、太もも裏やふくらはぎのストレッチが役立ちます。代表的なのは、床に座って両脚を前に伸ばし、つま先に手を伸ばして太もも裏を伸ばす方法や、壁に手をついてふくらはぎを伸ばす方法です。いずれも反動をつけず、痛気持ちいい範囲でゆっくり20〜30秒ほど伸ばすのが基本です。
ストレッチは、お風呂上がりなど体が温まっているときに行うと、筋肉がほぐれやすくなります。動画を見ながら正しいフォームを確認すると取り組みやすいでしょう。ただし、伸ばすと鋭く痛む・腫れているといった場合は、無理に伸ばすとかえって傷めることがあります。痛みが強いときはストレッチを控え、まず安静と受診を優先してください。

膝裏の痛みにサポーターは有効?
膝のサポーターは、膝を保温したり、関節を軽く支えて安定させたりする目的で使われます。膝裏の痛みがあるときにサポーターをつけると、膝が安定して動かしやすく感じる人もいます。歩行時や立ち仕事のあいだの負担を減らす補助として役立つことがあります。
ただし、サポーターはつけるだけで痛みの原因が取り除かれるものではなく、あくまで補助的な道具です。締めつけが強すぎると血流を妨げることがあるため、指がしびれる・むくむようなら、ゆるめるかサイズを見直しましょう。サポーターの種類や適した使い方・使用する時間は、膝の状態や症状によって異なります。活動するときに使い、休むときは外すなど、自分に合った使い方は自己判断せず専門家に相談すると安心です。
膝の裏が痛いときのテーピングの巻き方
テーピングは、膝裏の筋肉や腱の負担を軽くしたり、動きをサポートしたりする目的で使われます。伸縮性のあるキネシオロジーテープなどが用いられますが、適した巻き方や貼る位置は、痛みの原因や部位によって異なります。運動時の一時的なサポートとして取り入れる人もいますが、自分の状態に合う貼り方は専門家の指導のもとで確認するのが基本です。
貼り方や貼る位置は原因や症状によって異なり、自己流で強く巻きすぎると血流を妨げたり、皮膚がかぶれたりすることがあります。かぶれや締めつけを感じたらすぐに外しましょう。正しい貼り方に不安があるときは、整形外科や理学療法士・スポーツトレーナーに相談すると、自分の状態に合った方法を教えてもらえます。テーピングも対処の補助であり、痛みが続く場合は原因を確かめることが大切です。
膝の裏が痛いときの湿布や市販薬の使い方
湿布や市販の痛み止めは、膝裏の痛みを一時的にやわらげる助けになります。湿布には冷感タイプと温感タイプがあります。この違いは主に貼ったときの使い心地によるもので、深部を実際に冷やしたり温めたりする作用は限定的とされます。急に腫れて熱をもっているときは冷やし、慢性的なこわばりには温めるという考え方を目安に、使い心地の好みで選んでかまいません。かぶれが出たら中止しましょう。
市販の飲み薬や塗り薬も、痛みをやわらげる対症的なケアです。ただし、これらは症状を抑えるものであって、痛みの原因そのものを治すわけではありません。市販薬を使っても痛みが続く・だんだん強くなる場合は、漫然と使い続けず、整形外科を受診してください。持病があり薬を飲んでいる人は、念のため医師や薬剤師に相談してから使うと安心です。
膝裏の痛みを予防する方法
膝裏の痛みを予防するには、日ごろから膝周りの筋肉の柔軟性と筋力を保つことが基本です。運動の前後にはストレッチを取り入れ、太もも裏やふくらはぎをこまめにほぐしておくと、筋腱性の痛みを起こしにくくなります。急に激しい運動を始めるのではなく、少しずつ負荷を上げていくことも大切です。
- 運動前後にハムストリングスやふくらはぎを伸ばす
- 長時間同じ姿勢を続けず、こまめに動いて血流を保つ
- 膝を支える太ももの筋力を無理のない範囲で維持する
- 適正体重を保ち、膝にかかる負担を減らす
- 冷えを避け、脚を保温してめぐりを保つ
これらは、膝裏の負担そのものを減らす取り組みです。ただし、予防を心がけていても痛みが出ることはあります。痛みが続く・繰り返す場合は、セルフケアだけに頼らず、原因を確かめる段階と考えて受診を検討しましょう。
膝の裏が痛いときは何科に行けばいい?

セルフケアで改善しないときや、気になる症状があるときは、医療機関の受診を考えましょう。膝の裏が痛いときは、まず整形外科が基本ですが、症状によっては血管を扱う診療科や救急が適していることもあります。 どこを受診し、どんな検査を受けるのかを確認しましょう。
受診先に迷ったときは、症状の出方が手がかりになります。慢性的な膝の痛みなら整形外科、片脚の急な腫れや強い痛みなら血管の病気を念頭にした診療科、胸の痛みや息苦しさをともなうなら救急、と大まかに使い分けると判断しやすくなります。
膝の裏の痛みが治らないときは早めに病院へ
膝の裏の痛みが治らない・原因不明のまま続く・どうすればいいか分からないというときは、自己判断で様子を見続けず、早めに病院を受診することをおすすめします。とくに、けがや炎症が疑われる痛みは、早めに原因を確かめることで、対処や治療の方針を立てやすくなります。
膝の運動器の痛みは、整形外科が受診先の基本です。ただし、症状によっては受診先を選び分けると、より適切な対応につながります。
| 症状のタイプ | 適した受診先の目安 |
|---|---|
| 慢性的な膝の痛み・こわばり・変形 | 整形外科 |
| 片脚の急な腫れ・血管の浮き出し・強いむくみ | 血管を扱う診療科(血管外科など) |
| 片脚の腫れに胸痛や息苦しさをともなう | 救急(ためらわず) |
どの科を受診すべきか迷う場合は、まず整形外科で相談し、必要に応じて適切な診療科を紹介してもらう流れでも問題ありません。大切なのは、気になる症状を放置しないことです。
整形外科で受ける膝の裏の痛みの検査
整形外科では、膝の裏の痛みの原因を調べるために、問診や触診に加えていくつかの検査が行われます。まずは痛む場所や動作・経過を確認し、膝を動かしたり押したりして状態を調べる触診が基本です。そのうえで、原因に応じて画像検査や血液検査を組み合わせます。次の表は、それぞれの検査で主に何を調べ、どんな症状のときに行われやすいかの目安です。
| 検査 | 主に調べること | どんな症状のときに行うか |
|---|---|---|
| レントゲン | 骨の変形や関節のすき間の狭まり | 慢性的な膝のこわばりや変形が気になるとき |
| MRI | 半月板や靭帯・軟骨など軟らかい組織 | 曲げ伸ばしの引っかかりやロッキング・靭帯損傷が疑われるとき |
| エコー(超音波) | ベーカー嚢腫や水のたまり・血管の状態 | 膝裏のふくらみやしこり・片脚の急な腫れが気になるとき |
| 血液検査 | リウマチや痛風など全身の病気 | 複数の関節の痛みや朝のこわばり・急な強い腫れや発熱をともなうとき |

どの検査が必要かは症状によって異なるため、医師の説明を受けながら進めましょう。複数の検査を組み合わせて原因がはっきりすると、対処や治療の方針も立てやすくなります。
膝の裏の痛みが続くときの治療と再生医療という選択肢

原因が分かったあとは、痛みの程度や病気に応じた治療を検討していきます。膝の裏の痛みが続くときの治療は、保存療法を基本としつつ、対症療法で改善しない器質的な変化には再生医療という選択肢も検討されます。 ここでは、治療全体の流れと、その先の選択肢を見ていきましょう。
多くの膝裏の痛みは、安静やストレッチ・薬などの保存療法で和らいでいきます。保存療法で十分に改善しない場合は、注射や、必要に応じて手術が検討されることもあります。ヒアルロン酸注射の役割や限界についてはヒアルロン酸注射が効かないと感じるときの考え方を、痛みをやわらげるブロック注射についてはブロック注射で効果が感じられないときの考え方もあわせて参考にしてください。
対症療法を続けても、変形性膝関節症や半月板の傷みといった、組織そのものが傷む器質的な変化による痛みを繰り返す場合があります。こうした場合に、原因である組織の傷みにアプローチする選択肢の一つとして、近年は再生医療に関心を持つ方が増えています。再生医療は、自分の血液や細胞を用いて、損傷した組織の修復をめざすアプローチで、対象になるのは主に器質的な変化による痛みです。

ただし、再生医療はすべての膝裏の痛みに適応できるわけではありません。対象となるのは主に器質的な変化による痛みで、筋腱性の一時的な痛みや、血管・神経の病気による痛みが対象になるわけではない点に注意が必要です。効果には個人差があり、公的医療保険の対象外となる自由診療です。費用や適応の判断は医師の診察が前提です。再生医療等の提供計画を国に届け出ている医療機関を選ぶことも、検討する際の目安になります。対症療法の限界を感じたときは、選択肢の一つとして当院の再生医療についても医師に相談してみてください。
膝の裏の痛みに関するよくある質問

最後に、膝の裏の痛みについて、よく寄せられる質問に簡潔にお答えします。詳しい内容は、各章の解説もあわせて参考にしてください。
膝裏の痛みはいつ治りますか?
筋肉や腱の使いすぎによる軽い痛みなら、安静やストレッチで数日から数週間ほどで和らいでいくこともあるとされています。ただし、和らぐまでの期間は原因や程度によって幅があり、個人差も大きいため、回復までの期間を一律に「何日」と決めることはできません。痛みが数週間以上続く・だんだん強くなる・腫れやしびれをともなう場合は、自己判断で様子を見ず、整形外科で原因を確認しましょう。
膝の裏が痛くなるのは正常ですか?
長く歩いた日や運動のあとに一時的に膝裏が張って痛む程度であれば、筋肉の疲労によるもので、休むと和らぐことが多いものです。この範囲であれば、過度に心配する必要はありません。一方で、片脚の急な腫れや強い痛み・赤みや熱感・しびれをともなう痛みは、注意したいサインです。安静にしても改善しない痛みは、体からの知らせととらえて確認しておきましょう。
夜や寝てる時に膝の裏が痛くなるのはなぜですか?
日中の活動で疲れた筋肉や腱の張りが、夜や就寝時にこわばりや痛みとして感じられることがあります。血行不良や冷えで、寝ている間に膝裏がつることもあります。多くは筋腱性のものですが、じっとしていても痛む・夜間に痛みで目が覚める・朝になっても強く痛むといった場合は、炎症や別の原因が隠れていることもあるため、続くようなら受診をおすすめします。
膝の裏が痛いときに運動してもいいですか?
痛みが軽く、動かしても悪化しない範囲であれば、ウォーキングなど負担の少ない運動は続けてかまいません。膝を支える筋力を保つことは大切です。ただし、腫れや熱感が強い時期や、動かすと痛みが鋭くなる場合は、無理をせず休むことを優先しましょう。運動の翌日に痛みや腫れが強まるようなら、量が多すぎるサインです。痛みが続くときは、自己流で運動を続ける前に、医師や理学療法士に相談してください。
